大自然に触れた人の脳が驚くほど活性化する訳

下記の記事は東洋経済オンラインから借用(コピー)したものです。
ちっぽけな自分”を感じるとき、脳は活性化する
果てしなく広がる空の下で「この広大な宇宙に比べたら自分はなんて小さな存在なのだろう」と思う。あるいは、登山をして頂に立ち、360度に広がる空の下で他の山々の連なりや雲海を見渡し、“ちっぽけな自分”を感じる。
このような、大自然や大宇宙の悠久さや広大さを前に、自分の存在の小ささを感じる体験を、脳科学ではAwe(オウ)体験といいます。
このAwe体験をしているとき、その人の脳はとても活性化していることが多くの研究から明らかになってきています。
カナダ・トロント大学のステラー博士らの研究では、「Awe体験は自分を最小化し、それが謙虚になることにつながる」という仮説を立て、それを延べ977人の被験者の協力のもとに検証しています。
その結果、被験者が「Awe体験によって世界が違って見えた」「Awe体験によって生かされている感じがした」と答えるなど、Awe体験をすると自分の自我(エゴ)を少なくし、謙虚な気持ちを起こすことがわかりました。
大宇宙の悠久さや自然の広大さを前に「自分を小さい」と感じるとき、人は非常に謙虚な気持ちになり、そして素直に感謝の気持ちを持ちます。
その結果、前向きにもなり「世の中のため、誰かのために役立ちたい」という思いを強くするのです。このとき、脳は通常の何十倍、ときには何百倍も活性化するのです。
Awe体験についての研究では、心身ともにさまざまな素晴らしい効果が実証されています。
前述のカナダ・トロント大学のステラー博士らの研究では、Awe体験を頻繁にしている人はインターロイキン6の濃度が低く保たれているという結果が出ています。
インターロイキン6は、身体が慢性的な炎症を起こしているときに出るもので、慢性的な炎症は人の寿命を縮めます。
逆にいうと、インターロイキン6が下がっている状態というのは身体には良く、寿命を延ばすことにつながるのです。
アメリカのジョン・テンプルトン財団の研究によれば、Awe体験をしている人は、見破る力、騙されない思考力を持つようになるのだそうです。
Awe体験をしていないと、情熱のある人の話やおもしろい話には弱く、議論でも説得されやすくなります。たとえそれが詐欺師だったとしても、ものすごく情熱的に話されると信じてしまいます。
それに対してAwe体験をしている人は、見破る力があるのだそうです。
Awe体験の特徴として、アメリカ・アリゾナ州立大学のシオタ博士は次のようなことを挙げています。
①マインドフルネスを行ったように、何ごともありのままに受け取ることができるようになる
②心と身体をリラックスさせる
③好奇心を引き出す
④人と心のつながりを作る
⑤利他の心を引き出す
⑥身体を健康にする
⑦創造性を引き出す
⑧希望に満ちた状態になる
⑨幸福感が高まる
⑩嫉妬心など、ネガティブな感情が少なくなる
このように、広大な大自然や大宇宙の悠久さを体験することは、単に心が洗われるだとか、気分転換になるだけでなく、具体的に心身ともに良い影響があるのです。
未来の社会や人のために行動できるようになる
中国・広州大学のリー博士らの研究は、Awe体験が「社会性行動」にどのような影響があるかを調べています。
そしてこの研究では、Awe体験で未来の時間の感覚を持てるようになり、社会性のある行動が取れるようになるという結果を出しています。
「未来の時間の感覚を持てる」というのは、未来を単なる時間経過した先にあるものと捉えるのではなく、自分が生きている「いま」と同じような感覚で捉えること。
たとえば、いまから100年後の未来は、多くの人にとって自分が死んだ後の世界です。その時間を「自分が生きていないのだから関係ない」と他人事のように捉えるのではなく、「いま」と同じ感覚で捉えることです。
それは、未来もいまと同じように価値があると実感することができるからです。