「医療保険」は本当に必要?多くの加入者が損をする理由

下記の記事はLIMOからの借用(コピー)です

病気やケガで入院した時、加入している医療保険から給付金が出ると「保険に入っていてよかった」と思うものです。親や知人からそのようなエピソードを聞いて、医療保険に加入したという人もいるのではないでしょうか。
しかし、医療保険に加入している人は、実は損をしているケースが多いのです。医療保険に加入する必要が本当にあるのか、もう一度確認しましょう。
この記事では、医療保険で損する理由や実際に医療費としてどれくらいの額を準備しておくべきなのかを解説します。

医療保険の加入率はどれくらい?
まずは、実際にどれくらいの人が医療保険に加入しているかのデータを見てみましょう。
生命保険文化センターが行った「令和元年度生活保障に関する調査」(2019年度)を見ると、民間の生命保険会社や郵便局、JA、県民共済・生協等で取り扱っている「疾病入院給付金が支払われる生命保険」に加入している人の割合は73.1%となっており、約7割以上の人が医療保険に加入していることが分かります。
次に、「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」(2018年度)から、直近の民間保険加入世帯の保険への加入目的を見ると「医療費や入院費のため」が57.1%と最も多く、次いで「万一のときの家族の生活保障のため」49.5%、「万一のときの葬式代のため」15.4%の順になっています。
多くの人が医療費や入院費に備えるために、医療保険に加入しているのが現状です。
医療保険で損する理由
その医療保険ですが、実は損していることがほとんどです。医療保険の保険料と入院時にもらえる給付金から、本当に損をしているかどうか見てみましょう。
医療保険は基本的に、入院したときに1日単位で給付される「入院給付金」と、所定の手術を受けた時に給付される「手術給付金」の2つからなります。入院給付金は1日あたり5,000円、1万円などと設定できることが多く、もらえる入院給付金が多くなるほど保険料も高くなります。
ある保険会社のサイトで、40歳男性・入院給付金が1日あたり1万円のシンプルな医療保険プランの保険料をシミュレーションしてみたところ、月額は約6,000円になりました。一般的に、年齢が上がるほど保険料は高くなり、がん特約や、三大疾病特約、通院特約などを付加して保障を厚くすればさらに保険料は上がります。

次に、医療保険でもらえる給付金を計算してみましょう。生命保険文化センターの「令和元年度生活保障に関する調査」から、40歳代の過去5年以内の入院日数の平均をみると、12.3日となっています。入院給付金が1日あたり1万円もらえるとすると、受け取れる給付金は約12万円。しかし、40歳代で過去5年以内に入院した人の割合は11.8%となっており、88.2%の人は5年間の間で1度も入院をしていません。
5年間、毎月の保険料を支払い続けていると、支払った保険料の合計額は36万円。約9割の人がこの金額をドブに捨てていることになっているのです。「保険に入っていてよかった」という人は残りの1割の人であり、しかも実際に支払った保険料と貰えた給付金を比較すると元が取れていないことも多くあります。
もし医療保険に入らずに、保険料として支払った分を貯めていれば、36万円が自由に使える貯金になったでしょう。もしもの時の備えとして取っておくのはもちろん、運用をすれば増やすことだってできます。
医療保険は本当に必要?
医療保険が必要かどうかのポイントは、医療費が貯金で賄えるかどうかです。実際に医療費はどれくらいかかるのでしょうか。
日本には国民皆保険制度があり、国民全員が何らかの公的医療保険に加入して保険料を支払っています。この公的医療保険により、医療費はある程度軽減されます。病院の窓口で支払う医療費が、3割負担(原則、6歳以上70歳未満)になっているのをみなさんもご存知でしょう。
公的医療保険により、高額な医療費の負担を軽減するために用意されているのが「高額療養費制度」です。高額療養費制度とは、1カ月の間に高額な医療費がかかった場合、あらかじめ定められた上限額を超えた額が支給されるという制度です。上限額は、年齢や年収により定められています。

もし40歳男性・月収50万円ほど(標準報酬月額28万~50万円)の男性が病気で入院・手術をして1カ月の医療費が100万円(自己負担額30万円)かかった場合、上限額として定められている「80,100円+(総医療費-267,000)×1%」の計算式から、自己負担額は8万7,430円となります。窓口では3割負担の30万円を支払い、払いすぎた21万2,570円分は高額療養費の申請により後から支給されます。
もし窓口で支払う30万円が用意できないのであれば、事前に申請しておけば窓口で支払う額が最初から軽減される「限度額適用認定証」や、無利子で高額療養費支給見込額の8割~9割相当額の貸付を行う「高額医療費貸付制度」などといった制度も設けられています。
差額ベッド代や食事代、保険適用外の診療費などで多少の自己負担もありますが、医療費として10万~20万円程度用意しておけば安心でしょう。この程度なら、現在の貯金で補える人がほとんどだと思います。
医療保険に入る必要があるのか、もう一度考えよう
医療保険は、ほとんどの人が損をしていることに気付いていません。もしもの時に備えるのであれば、貯金で十分です。
ただし、「貯金が全くない人」「貯金が苦手な人」などは医療費が払えずに困ってしまうことが予想されるため、加入を検討することをおすすめします。
医療保険に既に加入している人も、本当にその保険が必要なのかもう一度見直してみると良いでしょう。