口臭、女性の方が深刻!? 日本人の9割気にするが

下記の記事は時事メディカルからの借用(コピー)です

日本人の9割が口臭を気にしている。特に男性にとっては、口の中の悩みで口臭が第1位を占めた―。口臭ケアに関する意識調査でこんな結果が出た。さらに、口臭を測定する装置を使った調査では、男性より女性の方が口臭のレベルが問題だということが分かった。
女性も口臭に注意
 調査は、歯科医療総合商社と口臭など生体ガス測定システムの企業が実施。4月から5月にかけて全国の4700人を対象とした意識調査と、首都圏の214人に対する口臭測定を行った。
 ◇男女で意識に差
 意識調査によると、口の中の悩みについて90.6%が「口臭が気になった経験がある」と回答した。ただ、男女間に差があり、男性は「口臭がある」27.9%がトップで、「歯の黄ばみ」27.8%と続いた。女性では「歯の黄ばみ」44.9%が最も多く、「口臭がある」は26.6%で5番目だった。
 ◇気になるのは会社とデート
 口臭が気になる場面はどういう状況か。職場とデート中が二つのポイントだ。「他人の口臭が気になったシーン」を聞いたところ、「仕事の打ち合わせをしている時」が69.6%。「あいさつをする時」46.0%、「飲み会の時」41.7%などを大きく引き離している。
 デート中に相手の口臭が気になった経験があるか。女性が45.7%で、男性の32.5%を大きく上回る。20代の女性は46.4%(男性35.3%)、30代では50.6%(男性36.7%)に上った。
装置を使った口臭の測定
 ◇自分の口臭に気付かない
 この調査に携わった歯科医の若林健史氏は「気にする人が多い一方で、自身の口臭については意外と気が付かない」と指摘する。これには「順応反応」が関係している。口臭は絶えず鼻腔(びくう)に流れ、嗅神経を通じて臭いが脳に伝えられる。しかし、だんだん臭いに慣れる(順応する)ことで臭いを感じなくなってしまう。強い口臭を発する人でも無自覚になりやすい。
 ニンニクを食べたり、アルコールを飲んだりすることによって発生する口臭は一過性のものだ。問題は病的な口臭で、若林氏は「呼吸器系や消化器系の病気などによるものもあるが、90%は虫歯や歯周病歯垢(しこう)などの口腔(こうくう)内トラブルや舌苔(ぜったい)が原因だ」と話す。
 臭いの元は、口の中にいる嫌気性菌が食べかすや粘膜細胞などのタンパク質を分解して作る揮発性硫黄化合物(VSC)だ。舌の表面に汚れが付着する舌苔では卵が腐ったような臭いの硫化水素、歯を失うことにつながる歯周病ではタマネギが腐ったような臭いのメチルメルカプタンが原因物質となる。歯周病に由来する口臭の方が、舌苔に由来するものより6倍も臭いという。
◇女性はホルモン変化が影響
 口臭測定では、呼気のガスと区別して口腔内のガスだけを抽出して測定、口臭レベルを0~100に数値化した。0~30は「臭いを感じない」、30~50は「ほとんど臭いを感じない」、50以上で「かすかな臭いを感じる」、60以上で「何らかの臭いを感じる」としている。50が口臭の基準値とも言えそうだ。
基準値の口臭を超える割合
 調査結果によると、基準値50を超えた割合は男性8・3%に対し、女性は17.9%。男性は若年層で7.4%、中高年層で9.3%、女性は若年層が11.5%、中高年層で24.1%だった。女性の方が多いのは意外な感じもする。
 若林氏は「口臭の原因となる歯周病は、女性ホルモンの分泌量の変化が口腔内の血液環境などに影響を与えることなどから、女性の方が罹患(りかん)のリスクが高い」と説明する。特に(1)ホルモンのバランスが変化しやすい思春期(2)ホルモンが細菌の一種の発育を促進し、歯茎から出血しやすくなる妊娠・出産期(3)ホルモンのバランスが崩れ、歯周組織が変化する更年期―の三つの時期が要注意だ。
歯磨きの回数と口臭
 ◇まずはセルフケア
 日本は先進各国の中で、口腔ケアの意識が低いとされる。日本に居住する外国人の7割が「日本人の口臭にがっかりした経験がある」という調査もある。しかし、近年、職場では昼食の後で歯を磨くという姿が一般的になった。
 今回の口臭測定調査で、歯磨きの回数と基準値50以上の比率を見ると、「1日2回以下」が12.0%で、「1日3回以上」は14.2%だった。両者は僅差だが、回数が多くても数値は高く、「セルフケア」では限界があることを暗示する。患者の通院の目的は虫歯治療が多数で、歯周病などの予防を目的とする通院はまだ少ないという。ただ、「そこですぐ歯科医へ行こう」というのも早計だ。米国などでは「ブラッシング(磨く)」と同時に、歯垢を取り除く「デンタルクロス」など口内衛生への意識が高い。歯科医サイドもそこを啓蒙(けいもう)してほしい。(鈴木豊)