なぜ金は「値下がりリスク」が低い投資商品なのか?

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供給量が決まっている有限の資産
 金に投資する3つ目の理由は、供給量の増加によって値下がりする可能性が非常に低いからです。
 投資商品に限らずですが、市場で売買されているモノの価格は需要と供給のバランスによって決まることがほとんどです。
 その構造を表しているのが、価格決定の理論を説明している需要と供給の曲線の図です。
 まずは図の見方を確認しておきましょう。
 グラフの縦軸は価格で、上に上がるほど価格が高いことを表しています。
 グラフの横軸は数量で、右にいくほど数量が多いことを表しています。
 右下がりの曲線は需要曲線で、市場の「買いたい」という気持ちを表し、価格が高いところ(グラフの左上側)では買いたい数量が少なく、安くなる(グラフの右下側)ほど買いたい数量が増えることを示しています。
 また、右上がりの曲線は供給曲線で、市場にものを提供する作り手や売り手の気持ちを表し、価格が安いところ(グラフの左下側)では売りたい数量が少なく、高くなる(グラフの右上側)ほど、売りたい数量が増えることを示しています。
 市場での売買は、この2本の曲線が交わったところで成立します。
 この交点が均衡価格で、市場の「買いたい」と「売りたい」が一致する点を示しています。
 供給量(売りたい量)よりも需要量(買いたい量)が少ないと,商品が売れ残るので市場価格は下がります。需要量(買いたい量)よりも供給量(売りたい量)が少ないと,商品が足りなくなるので市場価格は上がります。
供給が増えると価格は下がる
 では、供給量に注目して価格がどう変わるか考えてみます。
 例えば、図が野菜の価格を表しているとして、豊作でたくさん野菜が取れれば、同じ価格でも供給量が増えるので、供給曲線は右にシフトします。
 すると、均衡点は右下に移動します。つまり、野菜の価格が安くなります。
 逆に、不作で野菜があまり取れなければ、同じ価格でも供給量が減るので、供給曲線は左にシフトします。すると、均衡点が左上に移動して野菜の価格は高くなります。
 この仕組みを投資商品に当てはめると、各商品の価格は「供給量が増えることによって下がる」ということができます。
 つまり、供給量が増えやすいもの、増やしやすいもの、作って増やせるものほど値下がりリスクが大きくなるということです。
ほとんどの投資商品は、供給量を増やすことができる
 その点を踏まえて投資商品の供給を考えてみると、まず株は増資という方法によって市場に出回る株を増やすことができます。
 国債社債などの債券も、国や会社の判断で増やすことができます。
 現金は、中央銀行が紙幣を印刷しているわけですので増やすことができます。
 不動産投資の対象となる土地は増やせません。
 ただし、荒地を整備すれば実質的に使える土地は増えます。
 土地の面積は決まっていますが、戸建てをマンションにすれば面積が増えますので、これも供給量を増やせる資産といえるでしょう。
 コモディティ分野では、大豆やトウモロコシなどの農作物は、その時々の天候に影響を受けますが、増やすことは可能です。
 原油は埋蔵量が有限といわれています。人工的に作り出すこともできません。その点では供給が有限の資産といえるでしょう。
 ただ、エネルギー源としての原油という視点から見ると、エネルギー源は原油のほかにも天然ガスなどがありますし、太陽光、地熱、バイオマスなど、新しい技術によって新しいエネルギー源も生まれています。
 原油そのものは有限だったとしても、その他のエネルギー源で供給量が増やせるため、価格が下がるリスクがあるのです。
 ビットコインブロックチェーンという分散型台帳によって管理され、流通量が管理されています。これは「サトシ・ナカモト」さんの素晴らしいアイデアで、需給の管理という点から見ても美しい仕組みだと思います。
 ただし、これも原油と同じ考え方ができます。ビットコイン単独で考える場合はよいのですが、仮想通貨(暗号資産、クリプトカレンシー)全体で見ると、新しい通貨が続々と誕生し、増え続けています。その点から見れば、広義には仮想通貨の供給量も増やせるといえるのです。
金は代替不可能な限られた資源
 さて、このような商品群の中で特殊なのが、金を含む貴金属です。
 なぜなら、金などの貴金属は、地球の地殻から産出する資源であるため、埋蔵量は限られているうえ、原油にとっての太陽光や、ビットコインに対するアルトコインのように、代替できるものもないからです。
 金は、毎年少しずつ鉱山から採掘されているものの、地球上での採掘が厳しくなり、質の高い生産は停滞している状況です。
 技術的には人工の金を作ることができるようですが、作っても採算が合わず、大量に作ることもほとんど不可能です。
錬金術」という言葉があるように、高価な金を作り出すことは多くの人の夢でした。
 技術者、科学者、お金持ちなどがこぞって金作りに取り組みましたし、一説には、万有引力を発見したニュートン錬金術に熱心だったそうです。
 しかし、どの人の、どんな取り組みも、今のところは不発に終わっています。
 あらゆる人の叡智を持ってしても作れないところが金の魅力であり、価値なのです。
供給が限られているから、価格が下がりにくい
 このような事実が何を表しているかというと、金の供給曲線が左に動くことはあっても、右に大きく動く可能性は少ないということです。
 供給曲線が大幅に右に動かなければ、理論上、価格が大幅に下がることはありません。
 価格が動くとすれば上がる方向に動くでしょう。何らかの要因で市場に出回る金が大きく減れば、価格は大きく上がります。
 投資商品はどんなものでも値下がりリスクがありますが、需給のバランスを見れば、金は値下がりリスクが著しく低い商品といえるでしょう。
 現在、世界に存在している採掘された金(地上在庫といいます)は約19万トンで、量に換算すると五輪などで使われる国際基準のプールで約4杯分しかありません。
 人類が数1000年の歴史の中で、数万人の労力を費やしても、これだけの量しか採れなかったのです。
 また、地中に埋蔵されたまま未採掘の金もありますが、その量は5万トンほどといわれ、そのほとんどは採掘が非常に難しい場所にあるといわれています。
 作れない、増えない、増やせない、採れないという特徴がある限り、金は買う価値がありますし、安心して持つことができると言えるのではないでしょうか。
(本原稿は『ゴールド投資──リスクを冒さずお金持ちになれる方法』からの抜粋・編集したものです)
3年、5年、10年後……将来のお金に対して不安なあなたへ
『ゴールド投資──リスクを冒さずお金持ちになれる方法』
高橋ダン[著]伊達直太[執筆協力]
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ダイヤモンド社
 本書のテーマはゴールド(金)です。最初から最後までゴールド投資についてまとめた、世界でもっともわかりやすいゴールド投資の専門書です。
「なんで金なの?」
「投資なら、株やFXなど、他にも重要な商品もあるでしょう?」
 そんな声が聞こえてきそうですが、ここには明確な理由があります。金は、日本人のみなさんの注目度が低いにもかかわらず、非常に大きな可能性を秘めた投資商品だからです。
 年金制度や老後の資金不足に不安を抱えている日本人は多いと思いますが、本書のゴールド投資はあらゆる経済的な問題を解決する最適解になると思っています。
 少しだけ自己紹介させていただくと、私は20代のころにウォール街投資銀行で働き、その後、ヘッジファンドを立ち上げました。ヘッジファンドを売却したのは30歳のときで、その後、約60ヵ国を旅しながら、2019年に生まれ故郷である日本に来ました。
 その経験を踏まえて思ったことは、規律正しい日本人は他国の人よりもゴールド投資で成功する可能性が高いということ。しかしながら、日本人は他国の人に比べて金の投資への関心が非常に低いということです。
 つまり、ゴールド投資に向いている豊かな才能があり、老後に向けた長期的なお金の不安を対策できるにもかかわらず、そのチャンスを生かし切れていないのです。
Gold is the Answer! 金が答えだ
 日本は今後、少子高齢化によって経済力が伸び悩みます。経済成長が鈍化すれば、従来のように国や会社に守ってもらうことが難しくなります。
 インフレへの対策も必要ですし、コロナショックのような突発的な出来事から資産を守る対策も求められます。
 日本をはじめとする先進国では、各国の中央銀行が市場に大量にお金を投入しています。歴史的な低金利の状態では銀行にお金を預けても増えませんし、お金の供給量が増えることで、モノに対するお金の価値は下落していきます。
 もしあなたがまだ投資を始めていないのであれば、このまま投資しないままでいることは、あなたの人生にとって大きな機会損失になるでしょう。
 なぜなら、投資期間が長くなれば長くなるほど、複利効果によって資産が雪だるま式に大きくなっていくからです。投資で得た収益を再投資するというサイクルを繰り返すことで、運用額が膨らんでいき、得られるリターンも大きくなっていきます。
 もちろん、金だけが優れているということではなく、株、債券、不動産、現金なども重要です。しかし、資産の分散を考えるうえでは、究極の安全資産ともいえる金を選択肢に含まなければなりません。
 市場のあらゆるデータが「Gold is the Answer!(金が答えだ)」という結論を指し示しているのです。
「なぜ金なのか?」に対する理由から、長期・短期の具体的な投資方法まで、私が知っているゴールド投資の全てをこの本に凝縮しました。読み終えるころには、「Gold is the Answer!」の意味が、論理的、かつ体系的に理解できているはずです。