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長生きの秘訣は「自分は若い」と感じること

下記の記事はビヨンドヘルスからの借用(コピー)です

 自分は実年齢よりも若いと感じることが、長生きの秘訣かもしれない。そんな期待を抱かせる研究結果が、「Psychology and Aging」5月号に掲載された。論文の筆頭著者であるドイツ老年医学センターのMarkus Wettstein氏は、「実年齢よりも若いと感じている人は、そのことによってさまざまな恩恵を受けているようだ」と語っている。
 Wettstein氏らは、自覚しているストレスの程度が機能的健康レベルに及ぼす影響を検討。また、主観的年齢が若い(実際の年齢よりも自分は若いと感じている)ことに、ストレスによる健康への影響を弱める「緩衝効果」が存在するのかを調査した。なお、機能的健康レベルは、歩行や衣服の着替え、入浴などの基本的な日常生活動作をスムーズに行えるか否かで評価した。
 研究の対象は、同国で40歳以上の中高年地域住民を対象に行われている加齢に関する縦断研究の参加者5,039人。2014年の研究参加登録時の年齢は平均63.91±10.80歳(範囲40~95)で、2017年まで3年間追跡した。主観的年齢は、「あなたは自分が何歳だと感じているか?」との質問への答えによって決定した。
 ベースライン時の健康関連指標、および社会人口学的因子の影響を統計学的に調整した解析により、自覚しているストレスの強さが、機能的健康レベルの低下の速さと関連していることが明らかになった。また、その影響は高齢になるに従い、より大きくなることも分かった。
 一方で、主観的年齢が若い人では機能的健康レベルの低下速度が遅く、自覚しているストレスの程度と機能的健康レベルとの間に有意な関連が認められなかった。これは、主観的年齢にストレス緩衝効果が存在することを示唆している。このストレス緩衝効果は、高齢者層でより大きかった。
 Wettstein氏は、「自覚されたストレスは、さまざまな経路を介して機能的健康レベルに影響を与えるのではないか。それに対して主観的年齢の若さは、ストレスの影響の抑制、例えば全身性の炎症を抑えることなどによって、健康上のメリットを生み出す可能性がある」と考察を述べている。
 この研究に関与していない、米ジョージ・メイソン大学の名誉教授で心理学専門のJim Maddux氏は、「主観的年齢が若いことと健康関連の多くの指標が良好であることの関連は、かなり以前に報告された先行研究で示されていて、それ自体は何ら驚くべきことではない。一方、この研究から得られた新たな知見は、主観的年齢の若さによる健康へのプラス効果に介在する因子が示されたことだ。自分が若いと感じることは、ストレスによる健康へのマイナスの影響から、その人を保護しているように思われる」と論評している。
 Maddux氏によると、自分が若いと感じることで、健康に影響を与える因子に好循環が生じる可能性があるという。一例として、「若さを保つために自分自身をよくケアするようになり、その結果さらに若々しさを自覚することもあるのではないか」と述べている。
 なお、Wettstein氏らは、主観的年齢が若すぎて実年齢と大きく乖離している場合には、良いことばかりとは言えない可能性があることにも言及している。そのような場合、健康へのメリットが消失することが過去に報告されているとのことだ。「あまりにも楽観的すぎる人は、加齢により誰でも健康レベルが低下するという事実に目を向けようとせず、かえって健康上のデメリットになるのではないか」と同氏は推測。「主観的年齢と健康レベル、寿命、幸福感との関連については、より多くの研究が求められる」とまとめている。