izumiwakuhito’s blog

あなたでしたらどう思いますか?

30年前に母が書いた幼稚園の連絡帳を読んだら、共感の嵐だった

下記の記事はnoteからの借用(コピー)です

「押し入れ整理してたら、こんなの見つけたよ」
そう言って母がくれたのは、30年前の幼稚園の連絡帳だった。年中から入園した私。母は、あるときから私が幼稚園へ行きたがらなくなり、悩んでいたようだ。
連絡帳には、母と先生のやり取りが2年分、びっしりと書かれていた。とても共感し励まされたので、ほんのすこしだけお伝えしたい。
【年中】
>5/19 最近由希奈が、「幼稚園に行きたくない」と、ときどき言うようになりました。どうやら毎日、男の子に追いかけられて、キックやパンチをされるのが嫌なようです。
11/28 毎朝決まって口にすることは、「きょう、幼稚園お休み?」と「きょう、お弁当あるの?」のふたつ。朝送って行っても、玄関のところで「いってらっしゃい」「バイバイ」をかならず5~6回は繰り返します。泣いて嫌がらないだけいいと思うのですが、いつになったら毎朝元気に、すすんで登園してくれるのかと思うと…
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わかる…とてもわかる。4歳の息子も、まったく同じことを毎朝口にする。そして私、幼稚園は楽しかった記憶しかない。こんな感じだったんだ…。
1/22 主人が1月20日から東京へ研修に行っています。カレンダーを見ながら、指折り数えてパパの帰宅を待っている由希奈です。休み明けはまた、「帰りたい」なんて言うかもしれません。よろしくお願いします。
3/10 ときが経つのは早いものだと毎年思いますが、今はとくに強く感じています。内弁慶な由希奈が、果たして幼稚園でちゃんとやっていけるかどうか心配していましたが、最近は〇〇ちゃんと2人だけで登園できるようになりました。先生にも感謝しています。
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>毎朝、幼稚園に行くのを嫌がって泣くことはありませんでしたが、それでも毎日毎日登園するのは、彼女にとって大きなストレスでもあったようで、私としては、いつ「行かない」と泣き出すのか、気が気ではありませんでした。「きょう、幼稚園お休み?」というのが、朝の決まり文句だったように思います。「じゃあ、お休みする?」と聞くと「嫌」と言うので、やはり幼稚園は楽しいところのようです。
息子もそうだ。お休みする? と聞くと「うん!」と言うのはちょっと違うけれど、幼稚園自体は好きだと言っている。
お迎えに来たときの母は、笑顔だった記憶しかない。本当は、こんなに心配してくれていたんだ。
【年長】
>5/5 今週から幼稚園が本格的に始まりますね。由希奈は、自分の思っていることをなかなか言葉にできない性格です。私としては、その点が一番の心配ごとです。せめてあと1年で、元気に挨拶ができるようになりますように。
6/1 保育参観の日に、泥だらけになって遊んでいる姿を見て嬉しく思います。なんだか年長さんになってから生き生きしているようで、毎朝はりきって家を出ていきます。たとえ泥だらけになっても元気いっぱい遊んでくれることが、私にとっては大きな喜びです。
7/7 園の階段をのぼっていくときは、情けないほど心細い表情で、何度も振り向きながらバイバイをする子でした。親の私はそれが歯がゆくて、どうして元気よく「おはようございまーす!」と入っていけないのかと、じれったい思いをしていました。今は、「先生に昨日つくったネコちゃんの縫い物をみせるんだ!」と言ったり、お泊り会も楽しみにしていて、パジャマをつくってとせがまれています。
12/9 クリスマスページェントの練習が始まって、とても張り切っています。「ガブリエルの役になれてうれしい」と言いながら、唄ったり踊ったりの毎日で、妹もすっかり覚えてしまいました。「一番前で、マイクで唄いたいの!」…以前に比べて、なんと積極的になったことでしょう。
2/13 園生活も、残すところ1ヵ月余り。なんだかこのままずっと幼稚園児であってほしい気もします。小学校へ行けばいろいろなしがらみもあるだろうし、今のままが一番幸せのような気すらしてきます。
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>卒園まであとわずかとなった今、このまま元気で登園してほしいということと、もうひとつ気がかりなことがあります。由希奈の祖母、私の母が現在入院中で重体です。由希奈にとっては、たったひとりのおばあちゃんです。おそらく出席は無理でしょうが、なんとか入学式を見せてあげたいと願っています。
3/14 先生、最後に…1年間、本当にありがとうございました。小学校でも、由希奈の表面に出にくい性格を理解してくれる先生にめぐり逢えたらと思います。
幼稚園時代の私、なんて息子とそっくりなんだろう。自分の気持ちを言葉にするのが苦手なところまで一緒だ。
息子の口ぐせは、「きょう、幼稚園お休み?」「きょう、お弁当?」のふたつ。毎朝、泣いて嫌がることはないものの、「おうちのほうが好き」と言う。理由をたずねても、首をかしげるだけ。
私はそれを、息子の個性だとわかりつつも、ただ元気にニコニコと登園してくれる、それだけで充分なのに…と、もどかしくも感じていた。
30年前、母も同じことで悩んでいたのだ。

幼稚園時代のことは、ぼんやりとしか覚えていない。母は、当時の担任の先生のことを「年中の先生は新人さんでちょっと心配だった」「年長さんの先生はベテランで安心だった」と言っていたが、私の記憶に焼きついているのは、おそらく年中の頃の先生。いつも、やさしく膝で抱っこしてくれていた。
私の記憶のなかの幼稚園は、にぎやかでお友達がたくさんいて、楽しく遊べるところ。その後の小学校生活もエンジョイしたし、今もこうして生きている。子どもって、そんなものなのかもしれない。そして、母親の悩みは、いつの時代も一緒なのだ。
祖母は入学式の直前に亡くなり、私はお通夜のため、入学式をお休みした。今思うと、入学式の日に私と一緒にいたい、という気持ちの現れだったのだろうか。
とたんに母のことが心配になる。いま、母が生きていてくれているのは、幸せなことなんだ。いつも元気ではつらつとしているから、つい忘れてしまう。ワクチンがはやく、皆へ行きわたりますように。
そして、息子には無理をさせず、かといって心配しすぎず考えすぎず、「うちの息子は大丈夫!」と信じよう。

母の残してくれた連絡帳は、30年のときを経て、私たち親子の背中を押してくれた。
だれかを想って書いたものは、今よりもずっと遠い未来に、その人自身と、その人が大切にするだれかを勇気づけるのだ。それは、連絡帳でも日記でも、noteでもいい。
こんなにも大切に想ってくれていた母に、ありがとうを言いたい。