アルコールを飲まない人の「肝臓がん」が増加している理由

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「肝臓がん」は男女ともに
罹患率、死亡率が下がり続けている
 日本では男女ともにがんの罹患(りかん)数や死亡数は上がり続けており、その主な原因は人口の構成比の高齢化にあるとされています。ただし高齢化の影響を除外するために年齢構成比を標準化した年齢調整罹患率や年齢調整死亡率を用いて評価すると、やはりほとんどのがんは、罹患率も死亡率も頭打ちか低下傾向を示していることがわかります。
 中でも肝臓がんは、男女ともに年齢調整罹患率と年齢調整死亡率が大きく低下していることから注目すべきがんの1つです。罹患率と死亡率低下の理由としては、肝臓がんの主原因であるB型肝炎C型肝炎の予防や治療法の発達、および肝臓がんの治療技術の向上が挙げられます。しかし、減り続ける肝臓がんにおいても軽視できない点があり、注意が必要です。
再生能力が強い「忍耐の臓器」なのに
肝臓のがん化はなぜ起こる?
 肝臓は、腹部の右上(みぞおちの右側)に位置している体内で最も大きな臓器で、成人では質量1kg前後に達します。
 その働きとして主たるものは、代謝、解毒、胆汁の生成・排出の3つです。肝臓の行う代謝とは、胃や腸で分解・吸収された栄養素を体が利用しやすい物質に変えて貯蔵し必要に応じてそれらを分解・合成してエネルギーなどを作ることをいいます。解毒作用で代表的な働きは、アルコールやタンパクの消化吸収の際に生じるアンモニアなどの有害物質の無毒化です。胆汁は、脂肪の吸収やタンパクの分解に役立ち、コレステロールの排出にも影響します。
このように、肝臓は生命活動を維持するために極めて重要な役割を担っていますが、それに加えて再生能力が強いことも大きな特徴です。少々の障害が生じても症状を呈することなく知らぬ間に再生します。それが「沈黙の臓器」もしくは「忍耐の臓器」とも呼ばれる理由です。
 例えば、肝臓の3分の1が何らかの原因で失われても1~2ヵ月で再生するという、他の臓器にない性質を備えています。丈夫で再生能力が大きい肝臓にがんが発生するには、相当なダメージの蓄積が長期間持続する必要があります。すなわち、B型ないしはC型の肝炎ウイルスの感染や大量のアルコール摂取の習慣などを背景に慢性肝炎が長期間持続することで、肝臓細胞が死滅と再生を繰り返しているうち、徐々にその再生能力が失われ、遺伝子変異が誘発されてがん化するのです。
肝臓がんの95%は「肝細胞がん」
肝硬変は10年以内に70%が肝臓がんに
 ところで、一口に肝臓がんといっても、肝臓自体から発生するもの(原発性)と、他の臓器(胃・大腸・膵臓・乳腺など)に発生したがんが転移して発生するもの(転移性)とがあります。原発性と転移性では生物学的な性格が異なり、予防法や治療方針が異なります。
 肝臓がんと表現する場合は、一般的には原発性のものを指します。原発性肝臓がんには、肝細胞がんと胆管細胞がんがありますが、95%が肝細胞がんです。今回は、肝臓がんとして典型的な「原発性の肝細胞がん」について解説します。
 原発性肝細胞がんの90%は、ウイルスの感染が原因です。そのウイルスにはB型とC型があり、前者が20%、後者が70%です。B型およびC型の肝炎ウイルスに感染し肝臓の炎症が慢性化すると、肝臓の細胞の壊死と再生が繰り返されながら肝硬変に移行していきます。
 肝硬変は肝臓障害の終末像で、肝硬変に至ってしまうと元に戻ることはありません。そして、肝硬変の状態では遺伝子の突然変異が非常に活発になり、がんの発生につながります。肝硬変に至らなくても肝臓がんが発生することがありますが、肝硬変になってしまうと10年以内に70%で肝臓がんが発生するといわれています。
肝炎ウイルスの内服治療が可能な時代に
肝臓がんはますます減少へ
 B型肝炎C型肝炎は、それぞれB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルスHCV)が血液や体液を介して体に感染することにより発生します。感染の原因や、感染した時の体の健康状態によって、一時的な感染に終わる場合(一過性感染)と、慢性的に感染が持続する場合(持続感染)に分かれます。
 一般的に、B型の方がC型よりも感染力が強いですが、慢性化する可能性が大きいのはC型です。B型肝炎が慢性化するのは、妊娠中や出生時に母から子に感染する場合と3歳未満の乳幼児期に感染する場合がほとんどです。さらに、B型肝炎ウイルスにはワクチンが存在し、予防接種が可能です。
 ちなみにA型肝炎は、経口感染が原因で慢性化することは基本的にありません。頭痛、発熱、倦怠感など風邪の症状に類似する場合があります。一度感染すると強い免疫が残り再感染のリスクは基本的にはないと考えられます。他にもD型、E型、F型肝炎が確認されていますが極めて少数なので通常は注目されません。
 ところで、B型やC型肝炎がしばしば問題になるのは、現在では考えられないことですが、予防接種の注射針の再利用や感染症のスクリーニングが不完全な輸血製剤の投与などの医療行為が原因で感染することがあるからです。医療行為によってB型肝炎C型肝炎が発生するのは看過できない事態です。そのようなことから、これらの肝炎に対する治療法はここ最近で急速に発展してきました。
 1990年代からは、インターフェロンと呼ばれる治療薬を用いた治療がこれらのウイルス性肝炎に対して可能になりました。ただし、長期間通院して注射を打ち続けなければいけない、相応の副作用があるなどの理由から、治療に進まない患者さんが相当数見られました。しかし、ここ最近は内服薬による治療が可能となり、特にC型肝炎はこの内服治療により95%もの方がウイルスを完全に排除できるようになっています。
また、B型肝炎も、内服薬によりウイルス量を低下させ、肝炎の発症を予防することができるようになりました。ただし、B型の場合は、ウイルスを完全に排泄することができず、薬剤の服用を止めると肝炎が再燃して急激に悪化する場合があるため、服用を自己中止できません。
 いずれにしても、肝臓がんの主原因であるB型肝炎C型肝炎に対する有効な治療薬が開発されたことにより、肝臓がんの発生はさらに減少していくことが期待されます。
肝臓がんは減少傾向にあるのに、
なぜ侮ってはいけないのか
 肝炎ウイルスの予防および治療技術の発展により、さらなる減少が期待されている肝臓がんですが、ここにきて新たな肝臓がんの発症リスクが注目されています。肝炎ウイルス感染やアルコール常習などの慢性肝炎の原因を持たない方の肝硬変や肝臓がんは、むしろ増加傾向にあるのです。
 その病態は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)もしくは非アルコール性脂肪肝(NASH)と呼ばれる病状に起因します。これらは、いわゆる生活習慣の乱れによる内臓脂肪蓄積症、すなわちメタボリックシンドロームと同様の理由で発症します。
 メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の過度の蓄積により、高血圧、糖尿病などが発症して動脈硬化が進み、ひいては心筋梗塞脳卒中などの致死的な血管病の発症につながることから注意喚起されるものです。アルコールを飲まなくても、メタボリックシンドロームに陥る場合と同様、過食や運動不足によって生じる脂肪肝から肝臓がんが発症する方が増えています。人間ドックを受ける方の、実に30~40%の方が非アルコール性脂肪肝に罹患していると言われており、推計で1000万~2000万人の潜在患者がいると考えられています。
 原因は、食生活を主とした生活習慣の乱れ、ストレス、運動不足など、まさにメタボリックシンドロームの原因と同じです。腸内細菌の乱れから肝臓に脂肪が蓄積されやすくなることも指摘されています。男性は40代から40%以上の方にNAFLDが認められると報告されています。女性は40代ではあまり見られないようですが60代には30%以上の方がNAFLDを発症しています。
NAFLDを発症して、慢性肝炎が持続すると、肝炎ウイルスが感染したのと同様に肝臓の細胞の破壊とその再生による線維化が繰り返され、しまいには肝硬変になります。NAFLDを放置すると10年くらいで20%の方が肝硬変になり、肝硬変になると年数%の割合で肝臓がんが発生します。アルコールをそれほど大量に飲む習慣がない(1日ビール大瓶1本以内)から自分の肝臓は問題がないとはいえません。
 脂肪肝はそれ自体あまり深刻視されていませんでしたが、肝臓がんに関連する可能性があることからその対策の重要性が強調されています。肝臓がんは他のがんに比べて治療後の再発率が高く(治療5年後の再発率80%)、生存率が低い(5年相対生存率30%前後)ことを考えれば、その予防、すなわち脂肪肝の改善が非常に大切です。
1日5分のスクワットから始める
「NAFLD」の治療法
 食事運動療法で体重を7%程度落とせば非アルコール性脂肪肝は改善するという科学的根拠があります。肝硬変の手前の病態である肝線維化も10%の減量で改善すると報告されています。また、筋肉は「第2の肝臓」とも呼ばれ、筋肉が増えると代謝が改善します。
 特に骨格筋は全身の7割の糖質を消費するとされており、例えばスクワットを1日5分くらい行うことを継続すればNAFLDは確実に改善していきます。腸内細菌のコンディションを維持するためには緑黄色野菜や食物繊維の摂取が大切です。食事運動療法により半年から1年かけて体重を7~10%減量させられればNAFLDは消失します。
 すなわち、NAFLD由来の肝臓がんにおいては、「薬物による治療」ではなく、こうした皆さんの「日常生活の改善」こそが、その発症を予防する唯一の方法なのです。
北青山Dクリニック院長 阿保義久)

魚をよく食べる人ほど認知症の発症少ない 東北大研究

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魚をよく食べる人ほど認知症を発症するリスクが低いことが、日本人の高齢者約1万3000人を対象とした研究で明らかになりました。
日本は魚の摂取量が多い国の1つです。魚には、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)など、認知機能の低下予防に役立つ可能性のある栄養素や、ビタミンB12やビタミンEのような、神経保護作用を持つ栄養素が含まれています。ゆえに日常的な魚の摂取は、認知症発症リスクの低下をもたらす可能性があります。
これまでに、日本食や地中海食などが認知症予防に役立つことを示唆する研究結果がいくつか報告されています。これらの食事法の特徴の1つは、魚を豊富に食べることであるため、日常的な魚の摂取が認知症リスクの低下に関係するのではないかと考えられるようになりました。しかし、魚の摂取と認知症発症の関係を調べた研究はこれまで5件しか行われておらず、それらは一貫した結果を示せていませんでした。
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そこで東北大学の研究チームは、65歳以上の日本人を対象に、魚の摂取量とその後の認知症発症の関係を調べることにしました。
対象となったのは、宮城県大崎市に住む65歳以上の市民のうち、条件を満たした1万3102人です。2006年12月に、最初の調査の一環として食物摂取頻度調査を行い、魚とその他の食品の摂取状況を調べました。魚の摂取については、(1)刺身などの生魚と加熱調理した魚、(2)すり身の魚、について尋ねました。魚も含むすべての食品について、食べる頻度を以下の中から選択するよう依頼しました:ほとんど食べない/月に1~2回/週に1~2回/週に3~4回/ほぼ毎日。
(1)と(2)を合わせて、食べる頻度と1回の摂取量から1人1人の1日当たりの魚の摂取量を推定し、その値に基づいて対象者を、最も少ない(Q1群)/やや少ない(Q2群)/やや多い(Q3群)/最も多い(Q4群)、の4群に分けました。各群の1日当たりの魚の摂取量の平均はそれぞれ、20.4g、44.3g、57.7g、96.9gでした。
魚の摂取量が多いほど認知症リスクは低下
5.7年間の追跡期間中に、1118人(8.5%)が認知症を発症していました。認知症発症に影響を与える可能性のある、年齢、性別、BMI(体格指数)、病歴、学歴、喫煙習慣、飲酒習慣、1日の歩行時間、精神的苦痛の程度、認知機能スコア、睡眠時間、緑黄色野菜と果物の摂取量を考慮して分析したところ、魚の摂取量が最も少ないQ1群に比べ、Q2群では、認知症発症リスクが10%低い傾向が見られました。Q3群では15%、Q4群では16%のリスク低下が認められ、いずれもQ1群との間に統計学的有意差が認められました。全体として、魚の摂取量が多いほど認知症リスクは低いことも示唆されました。
こうした関係は、追跡開始から2年以内という早い段階で認知症と診断された患者や、研究に参加した時点で認知機能が低下していた患者を除外しても、変化しませんでした。
今回の結果は、魚の摂取と認知症リスクの間に逆相関関係があることを示し、日常的な魚の摂取に認知症予防効果があることを示唆しました。
論文は、2019年9月3日付のBritish Journal of Nutrition誌電子版に掲載されています。

 

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日本発リウマチ薬「コロナ治療に効果」英国の発表で注目

大阪大学中外製薬(東京都)が開発したリウマチ薬「アクテムラ」(一般名トシリズマブ)が、新型コロナウイルスの治療薬候補として再び注目を集めている。大手製薬会社が患者への効果は確認できないとしていたが、英国政府が重症患者の治療に有効だと発表したからだ。
 英国政府は7日、アクテムラが新型コロナの重症患者の治療に有効だとして、無料の国営医療「国民保健サービス」(NHS)の現場で、患者へ使うことを薦めると発表した。
 発表によると、英政府が出資する臨床試験(治験)の結果、アクテムラや、同じ仕組みの薬「ケブザラ」(一般名サリルマブ)を集中治療室(ICU)の患者に使った場合、通常の治療だけに比べて死亡リスクを24%下げることができた。
 また、ICUでの治療期間を7~10日間短縮でき、医療機関への負担を減らせる、としている。治験は英国を含む6カ国で行われ、ICU患者約800人が参加した。
 アクテムラはすでに英国内の病院で広く使われている。今回の治験の結果は、他の研究者によって研究結果を精査する査読は受けていないが、ハンコック保健相は「この治療によって数百人の命を救えるだろう」と期待している。
ここから続き
 アクテムラは、大阪大と中外製薬が共同で開発した薬だ。免疫にかかわり、炎症を起こす「サイトカイン」と呼ばれるたんぱく質の一種である「インターロイキン6(IL6)」の働きを抑える作用がある。
 何らかの理由でサイトカインが増えすぎると、免疫が暴走する「サイトカインストーム」と呼ばれる状態になる。新型コロナの重症化にもサイトカインストームが関わることが指摘されている。
 アクテムラが治療薬候補として注目されたのは、がん治療の副作用で起こることがあるサイトカインストームの対策に使われることがあったからだった。
 ただし、これまでスイスの製薬大手ロシュが米国やカナダなどで行った治験では、アクテムラが新型コロナの重症患者へ効果があるかどうか、統計的には確認できなかったという報告も出ていた。
 IL6の発見者の1人、量子科学技術研究開発機構の平野俊夫理事長は、今回の英国などの治験について、対象を重症患者にしぼり、人工呼吸器をつけて24時間以内にアクテムラを使っている点に注目する。
 アクテムラが働きを抑えるIL6には、免疫を活性化してウイルスが増えないようにする働きもある。治験の対象に軽症者が含まれていて、薬でIL6の働きを抑えてしまうと、逆効果になる可能性があるという。「早すぎても遅すぎてもだめ。薬を使うタイミングが重要ではないか」
 また、今年はIL6発見35年にあたる。「基礎研究の成果がこのような形で貢献できて、研究者冥利(みょうり)につきる」と話している。(ロンドン=下司佳代子、瀬川茂子)

「「ひとりで死んでも“孤独死”ではない」上野千鶴子が“幸せな最期”について主張し続ける理由とは?

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2007年時点で15.7%だった高齢者の独居世帯率が、2019年にはなんと27%に急増。高齢独居世帯予備軍である、高齢者のみの夫婦世帯率33%を合わせると「おひとりさま」で最期を迎える可能性のある世帯は全体の60%にまでのぼっている。
 ここでは、10年以上にわたっておひとりさまで過ごす老後生活の素晴らしさを説く社会学者の上野千鶴子氏による新著『在宅ひとり死のススメ』を引用。在宅で最期を迎える幸福について紹介する。(全2回の1回目/後編を読む)
◇◇◇
ひとり静かに死んでいくことを「孤独死」と呼ばれたくない
 わたしには家族がいませんので、基本、ひとりで暮らしています。高齢者の仲間入りをしましたが、まだ春日キスヨさんのいう「ヨタヘロ期」には至っていません。「フレイル(虚弱)などという横文字を使われるより、「ヨタヘロ」の方がずっとわかりやすいですね。iStock.com
 そのうち要介護認定を受けて介護保険の利用者になるだろうと思います。たくさんのお年寄りを見てきて、PPK(ピンピンコロリ)など望むべくもなく、なかなか死にきれない下り坂を、ひとはゆっくり下っていくものだと認識しました。そのうち動けなくなり、食べられなくなり、飲めなくなり……そしてある日呼吸が止まる、それを臨終と言うのだと教わりました。ひとり暮らしのわたしが、ひとり暮らしのまま下り坂を下っていって、ある日ひとり暮らしのまま在宅で死ねないだろうか……そう思いました。ひとりの暮らしを過ごしているわたしの臨終の場にだけ、ふだんめったに会わない一族郎党・親類縁者が全員集合するのも、妙なものです。ひとり静かに死んで、ある日亡くなっているのを発見されたら、それを「孤独死」とは呼ばれたくない。それが本書の執筆動機です。
変わりゆく老後の常識
 わたしは私利私欲のために研究をしている、と言ってきました。介護保険ができたとき、これはわたしのためにできたんだ、と思いました。そのわたしの「おひとりさまシリーズ」がたくさんの読者に読まれたのは、わたしと同じような立場にいるひとが、思ったより多かったからです。『おひとりさまの老後』(2007年)を出してから『おひとりさまの最期』(2015年)を出すまで8年、それからも6年経っています。わたし自身も順調に加齢しましたし、そのあいだに社会も変わりました。
 何より独居の高齢者が急速に増えましたし、「おかわいそうに」の代名詞だった「おひとりさま」のイメージがすっかり変わりました。最近あるオッサン向け週刊誌に、こんな特集をみつけました。「ひとりになったとき、人はここで失敗する」……失敗の内容は「子どもと同居する/孫の教育資金を出してしまう/息子や娘に財産を渡してしまう/再婚してしまう」。それを見ながら、10年くらいのあいだに、老後の常識が変わったと感慨を抱きました。
 わずか10年余で、老後の常識が180度変わりました。「子どもと同居が幸せ」から「同居しないほうが賢明」へ。「おひとりさまはみじめ」から、「おひとりさまは気楽」へ。その「常識」を変えた功績のいくぶんかは、わたしにもあったと思いたいです(笑)。iStock.com
 若い頃、「今日の常識は明日の非常識!」そして「今日の非常識は明日の常識!」と言ってきました。そのとおりになったようです。
ひとりで死んでも「孤独死」ではない
 そして、次に残された課題が、ひとりで死ぬことです。ひとり暮らしは「孤立」ではない、ひとりで死んでも「孤独死」ではない、と言ってきました。だから「在宅ひとり死 ChizukoUeno」という新しいことばをつくりました。それでも「在宅ひとり死のススメ」などという思い切ったタイトルの本が出せるようになるとは、10 年前には想像もしていませんでした。
福祉先進国とも見劣りしない日本の介護保険制度
 在宅ひとり死ができるようになったのは、介護保険のおかげです。介護保険がスタートしてから20年、現場の経験値は確実に蓄積されました。「在宅ひとり死」は現場の専門職の支えがあればできる、というわたしが得た手応えを、読者のあなたにもお伝えしたくてこの本を書きました。日本の介護保険は、制度も担い手も、ケアの質も、諸外国の福祉先進国にくらべても、決して見劣りしません。最近わたしは、海外在住の日本人に、老後を過ごすなら日本がよいかもよ、と勧めているくらいです。
 この制度を決して後退させてはならない、とつよく思っています。ウエノさん、介護保険、これからどうなるの? 介護の労働崩壊がすすむのでしょう? とよく聞かれますが、そのたびにこう返します。「どうなるか、ではなく、あなたがどうしたいか、を考えて下さい」と。介護保険を作ったのもわたしたち有権者なら、介護保険をよくするのも悪くするのもわたしたち有権者だからです。
誰もが暮らしやすい社会をつくるために
 老いは誰にも避けられません。死亡率は100%です。認知症になるのは5人に1人だそうです。自分だけが要介護にならないようにPPK(ピンピンコロリ)体操に励み、認知症にならないように認知症予防ドリルに取り組むよりも、要介護になっても安心できる社会、安心して認知症になれる社会、そして障害を持っても殺されない社会をつくるために、まだまだやらなければならないことはいっぱいありそうです。

コロナワクチン確保も…持病高齢者にはリスクといえる副反応の実態

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新型コロナウイルスのワクチン開発に成功したというニュースが続々と報じられている。米ファイザーが2020年11月9日、約4万3千人を対象とした第3相臨床試験の中間解析で90%の有効性を報告したのを皮切りに、その後同月内に、米モデルナが94%、英アストラゼネカが70%、ロシアの国立ガマレヤ疫学・微生物学研究所が91%の有効性を示す中間解析結果を公表した。

 一連の報告は、関係者の予想を大きく上回るものだった。知人の製薬企業社員は「誰もこんなに効くと思っていなかったでしょう」と話した。米食品医薬品局(FDA)や世界保健機関(WHO)が、コロナワクチンの有効性の基準として設定していたのは50%だったのだ。

 今回、ファイザーとモデルナは遺伝情報を伝える「メッセンジャーRNA(mRNA)」、アストラゼネカとガマレヤ研究所はウイルスベクター(運び役)を用いたワクチンを開発した。mRNAワクチンは初めての臨床応用であり、ウイルスベクターワクチンはエボラウイルスワクチンに用いられているだけで、実績が限られている。

 mRNAやウイルスベクターなどの遺伝子工学技術を用いたワクチンの長所は、短期間で大量に生産できることにある。2021年内にファイザーは13億回分、モデルナは5~10億回分、アストラゼネカは20億回分(10億回分は2020年内)、ガマレヤ研究所は5億回分を供給する予定だ。

 コロナワクチンは通常2回の接種を要するが、大手製薬会社や研究所だけで最大30億人分のワクチンを提供できるという。こんなことは鶏卵培養を用いる従来型のワクチン製造法では不可能だ。

 日本政府は、ファイザーアストラゼネカからそれぞれ1億2千万回分、モデルナから5千万回分の供給を受けることで合意しており、総人口分のワクチンを確保できたことになる。とかく批判をあびがちな厚生労働省のコロナ対策であるが、ワクチン確保に成功したことは海外からも高く評価されている。

 ファイザーのワクチンは、マイナス60度という超低温での保管が必要であることなどの問題もあるが、接種体制を工夫すれば、なんとかなるだろう。

 では、現在、問題となっていることは何だろう。私が懸念しているのはワクチンの安全性だ。

 実は、いずれのワクチンも副反応が強い。例えば、アストラゼネカのワクチンは、チンパンジーの風邪ウイルス(アデノウイルス)にコロナのスパイクタンパク質の遺伝子を導入したものだが、臨床試験では解熱剤であるアセトアミノフェン1グラムを6時間おきに内服することになっていた。総投与量は1日あたり4グラムということになる。日本でのアセトアミノフェンの常用量は1回0・5グラム程度で、最大許容量は1日4グラム。アストラゼネカは、当初から強い炎症反応が生じることを予想していたことになる。
輸送準備が進められる、ファイザーなどが開発した新型コロナウイルス感染症ワクチンが入った箱=2020年12月13日、米中西部ミシガン州(ロイター=共同)
 すでに重症の副反応も生じている。20年9月初旬、アストラゼネカのワクチンを接種した被験者が横断性脊髄炎を発症し、世界各地で実施中だった臨床試験が一時的に中断された。この病気は脊髄に炎症を生じ、進行すれば感覚消失、まひ、尿閉や便失禁を生じる場合がある。原因はウイルス感染、自己免疫疾患などさまざまで、ワクチン接種後に起こることも報告されている。今後、多くの人が接種すれば、同様の副反応が出る可能性は否定できない。

 副反応はアストラゼネカのワクチンに限った話ではない。同年11月18日、米科学誌「サイエンス」は、ファイザーとモデルナのワクチンの接種には、強い痛みと発熱を伴うことがあるという記事を掲載した。この記事によれば、接種者の2%弱が39度以上の高熱を生じている。

 モデルナの臨床試験に参加した43歳の人は、接種部位が「ガチョウの卵」のサイズまで腫脹(しゅちょう)し、38・9度の発熱が起き、筋肉と骨が激しく痛んだという。この人は「一晩中電話の前に座り、救急車を呼ぶべきか迷った」そうだ。症状は12時間続いたという。
このような副反応が生じるのは、ファイザーとモデルナのワクチンには、mRNAを保護するために脂質ナノ粒子が用いられているためだ。この物質が強い炎症反応を引き起こす。

 ここまでは短期的な安全性の問題だ。まれな合併症は十分には分からないといえども、これまでに公表された臨床試験のデータからある程度は推定できる。問題は、長期的な安全性だ。コロナワクチンは第3相臨床試験が始まってから3カ月程度しか経過していない。原理的に、長期的な安全性については評価できない。

 ワクチンの長期的な合併症は女優の大原麗子さんが発症したことで知られる神経難病、ギラン・バレー症候群などの免疫異常が多い。このような免疫異常は、ウイルス感染が契機となって発症することがある。ジカ熱が流行した地域でギラン・バレー症候群などの症状が多発したと報告されている。これは、ウイルス感染細胞を認識したリンパ球が、神経細胞上に発現しているタンパク質をウイルス関連抗原と誤って攻撃してしまうからだ。

 コロナ感染と自己免疫疾患の関係を議論した論文は多数存在する。私が米国立医学図書館データベース(PubMed)で「COVID-19」と「自己免疫(autoimmune)」という単語をタイトルに含む論文を検索したところ、102報がヒットした(2020年12月15日現在)。その中にはリウマチ性疾患、ギラン・バレー症候群、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎などが報告されていた。

 ワクチン接種が人為的に疑似感染を誘導する以上、このような自己免疫疾患を発生させるリスクはあるだろう。ワクチン接種に伴う免疫異常が顕在化するのは、接種から数カ月後が多い。リスクを評価するには、最低でも半年以上の観察期間が必要だ。ところが、現在開発中のワクチンで、このようなデータが出そろうのは、早くても今春以降だ。コロナワクチンの長期的安全性はまったく担保されていないのだ。個人の状況に応じて、ワクチンのメリットとデメリットを天秤にかけて判断するしかない。

 私はもちろん接種する。それは、私が臨床医だからだ。どんな形であれ患者にうつすことは避けたい。効果の持続など不明な点が多いといえども、コロナワクチンは一定レベルの効果は証明されている。多少、リスクがあろうが、ワクチンを接種して、自らが感染することを予防しなければならない。

 では、患者さんにはどうすることを勧めればいいだろうか。仮に80歳で高血圧・糖尿病の男性から相談を受けたとしよう。このような患者はコロナに感染した場合、致死率が高い。米国の一部の州で20年12月14日、ファイザーが開発したワクチンの接種が始まったが、米疾病対策センターCDC)が作成中の指針では、エッセンシャルワーカーに次いで、重い持病を抱える人と65歳以上の高齢者を優先することが検討されている。

 ただ、現状では、私は80歳の持病がある男性にワクチン接種を勧めない。なぜなら、高齢者は若年者ほどは効果が期待できず、一方で副反応が出たときに重症化しやすいからだ。

 米臨床医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」は同年12月10日、ファイザーのワクチンの臨床試験に関する論文を公開している。これによると参加者に占める55歳以上の割合は42%で、ワクチンを打った後に彼らの51%が倦怠(けんたい)感、11%が発熱、39%が頭痛を訴えた。また、38%が鎮痛剤の内服を要したという。もし、80歳の高齢者に接種した場合、どのような反応が生じるか想像がつかない。
アメリカ・ニューヨークの病院で新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種を受ける女性=2020年12月(AP=共同)
 同様のことは、自己免疫疾患などの免疫異常を有する人にも当てはまる。コロナワクチンが自己免疫疾患を起こすリスクを否定できないのだから、持病を有するからといって、優先的にワクチンを打つべきか悩むところだ。

 人種差も大きな問題となる。ファイザー臨床試験では、アジア系の人の参加はわずかに1608人(4・3%)で、大部分は白人(3万1266人、82・9%)だった。アジア人での安全性が十分に検討されているとは言い難い。

 こうした状況であれば、私は先行してワクチン接種を始めた米国や英国のデータを参照したい。日本でワクチン接種が始まるのは、早くて2021年の春以降だろう。それまでには相当数の経験が海外で蓄積されている。高齢者や持病を有する人、アジア系の人々における安全性と有効性についても臨床研究の結果が発表されているはずだ。日本ではどう対応すべきか、データに基づき柔軟に考えたい。

生涯結婚しない「子ども部屋おじさん」が急増

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いま日本では「未婚化」がものすごいスピードで進んでいます。50歳の時点で一度も結婚経験がない人の割合を示す「生涯未婚率」の数字が激増しているのです。
2015年国勢調査の結果から、すでに日本人男性の4人に1人が「50歳時点で結婚の経験が一度もない」ということがわかりました。一方で、同条件下で結婚の経験がない女性は7人に1人と、その数字には男女で開きがあります。
ちなみに1990年の時点では男性の18人に1人、女性の23人に1人と、生涯未婚率に「男女格差」はほとんどありませんでした。
男性の未婚率は急上昇を続けており「日本の50歳男性の約4人に1人は一度も結婚経験がない」という状況だ。どうして男女で差がついてしまったのか?(図版:筆者作成)
男女の生涯未婚率の「格差」はどのようにして生まれたのでしょうか? 結婚しない男性が急増する理由とは何なのでしょうか? このまま「子ども部屋おじさん」が増え続けるとどうなるのでしょうか――? 一つひとつ、見ていきたいと思います。
結婚願望がないのか、かなわないのか
女性に比べ、男性の生涯未婚率は高くなっています。10年くらい前に「草食系男子」という言葉が流行したこともあり、結婚に興味を持たない「おひとりさま志向」の男性が増えているのでは?というイメージを持つ人も少なくないようです。
しかし、18~34歳までの若い男女に対して実施された、興味深い調査結果があります。「一生を通じて考えるならば、いつかは結婚したい」と思っている34歳までの若い男女は、2015年の時点で約9割。実は過去30年間にわたってこの割合は大きな変化がないまま推移しているのです。
この調査結果からは「結婚しない」のではなく「その希望がかなわない」人が増えている可能性があることがわかると思います。その原因として、「やはり長期不況のせいではないか?」と考える人も多いようです。
結婚・子育てにはとにかくお金がかかるイメージがあるようですが、実際のところはどうなのでしょうか。
「お金がない」が原因ではなかった!
2014年に実施された、民間シンクタンクによる意識調査で「生涯未婚率はなぜ上昇していると思うか」という質問に対し、既婚者を含む男女ともにいちばん多かった回答は「雇用・労働環境(収入)がよくないから」というものでした。「お金がないから結婚できない」という認識はとても一般的なようです。
しかし、ここに興味深いデータがあります。「結婚生活に最低限必要な世帯年収」について、20~40代の未婚男女・既婚男女にそれぞれ質問した意識調査の回答結果です。いくつか注目すべきポイントはあるのですが、そのうちの1つを紹介しましょう。
必要と思う最低世帯年収に「400万円以上」を選んだ人は、未婚者では66.1%、既婚者では48.6%でした。「既婚の人よりも独身の人のほうが、結婚生活に求める世帯年収が高い人が多い」ということがわかると思います。
未婚男女は、実際に結婚している既婚男女よりも<結婚後に高い年収が必要>だと考えてプレッシャーを感じているのかもしれません。また、「男性が収入面で一家を支えなければならない」というのも、単なる<思い込み>によるプレッシャーである可能性が高いのです。
日本では共働き夫婦が増えています。厚生労働省の調査で、世帯主が29歳以下の子どもがいる世帯を見ると「平均有業人員」は1.43人となっています。わかりやすく言えば、夫婦のどちらか1人だけが働いているのではなく、もう1人くらいは稼ぎ手がいる家庭も少なくない、ということがわかるデータです。
つまり、男性の収入だけに頼って生活している家庭ばかりではない、ということです。専業主婦(夫)は少なくなりつつある、というイメージは世間的にも広がっているかもしれません。ちなみに、2017年の国民生活基礎調査でも18歳以下の子どもの7割、6歳以下の子どもの6割の母親が有業という結果です。
それでは、「結婚の希望がかなわない」人が「男性」に多いのはどうしてなのでしょうか。
いろいろな分析ができますが、ここではいくつかのポイントに焦点を絞りましょう。
1つ目に指摘しておきたいのは、男性のほうが「婚活」にあたって女性よりも悠長に構えていること。女性は男性と比較して早く行動しています。
2015年国勢調査結果を見ると、20代前半では約9割の女性が婚歴がない(以下、未婚と表記)のですが、20代後半ともなるとその未婚率は約6割、30代前半では約3割にまで縮小してしまうのです。その一方で、30代前半の男性の約半数が未婚のままなのです。
2つ目に指摘しておきたいのは、「年の差婚」の難易度の高さについてです。
「男性は妊娠・出産しないので、婚期が遅くなっても問題ないのでは?」と考えている人も少なくないのですが、実際に統計にもとづくリアルデータを見ると「夫が妻よりも7歳以上年上の初婚同士カップルの結婚」は全体の約1割。つまり、30後半の男性が20代の女性との結婚を望んだり、40代の男性が30代前半の女性を求めたりする場合には、この約1割という「希少枠」に切り込んでいくことになるのです。
もちろん、可能性はゼロではありませんが、相当なレアケースです。若い女性に執着し続けたまま男性が年齢を重ねてしまうほどに、成婚は発生確率的に至難の技となります。
「モテ再婚男性」に女性が集中し、男性余りが発生!?
3つ目に挙げられるのは、いわゆるモテ男性による、<女性の独占>が起こっていることです。男女の未婚者数の格差は、一夫多妻制をとる国では当然のこと。1人の男性が何人もの妻を持つために「男性余り」が生じるのです。
当然ながら日本の法律では一夫多妻制は認められていません。しかし、時間をずらして、1人の男性が初婚女性と何回も結婚することはできます。つまり、女性から人気のある、「モテ再婚男性」が、初婚の女性と結婚を繰り返した結果、統計上男女の未婚者数の格差が生じているのです。
ここで、「子ども部屋おじさん」についても言及したいと思います。「子ども部屋おじさん」とはインターネット上のスラング(俗語)で、広義には「社会人になっても親元を離れず、学生時代と同じ子ども部屋に住み続けている未婚の中年男性」を指します。
「子ども部屋おばさん」だっているはずなのに、「子ども部屋おじさん」ばかりがクローズアップされるのは不公平だ、という意見もよく聞きます。そう言いたくなるのももっともだと思いますが、これまで見てきたように、未婚男性が未婚女性を数と割合で圧倒していますので、客観的に見て、世間で「子ども部屋おじさん」のほうが「子ども部屋おばさん」よりも目立つのは自然な流れなのかもしれません。
子どもが実家からなかなか独立しない(できない)大きな理由の1つとして、親子同居のメリットの大きさが挙げられます。例えば、子どもが社会人になってからも両親と共に3人で暮らしている場合、OECD経済協力開発機構)の計算方法を用いると、一人暮らしをしたら100万円かかっていたコストが58万円程度で済むのです。
年金を受給している祖父母も加わって5人暮らしをしているともなれば、1人当たりのコストは45万円程度にまで下がります。一人暮らしに比べ、親との同居は圧倒的にコスパがいいのです。
経済的なメリットのほかにも、食事の支度や掃除、近所付き合いを親頼みにできることなど、子どもにとってさまざまな利点があります。しかしその一方で、「結婚しても家のことが何もできなさそう」というイメージが先行するようで、「実家住まい」の男女は婚活市場では人気がありません。
母親の歪んだ“息子愛”が元凶だった!?
また、2016年に実施された興味深いアンケート調査結果があります。母親と父親が、その息子・娘に対して<いつ頃までに結婚してほしいか>を尋ねたところ、父親から息子・娘への結婚希望時期は「20代後半まで」が1位、母親から娘への結婚希望時期も「20代後半まで」が1位であるのに対し、母親から息子への結婚希望時期だけは「30代前半まで」が約4割を占め、1位となっています。
しかし先ほども話しましたが、30代前半になるとすでに同年代では未婚女性が3割程度しか残っていません。では、若い女性と年の差婚をと考えても、初婚を目指す男性についての年の差婚の発生確率は厳しいのです。
「子ども部屋おじさん」を生み出す元凶の1つに、母親による「男の子の結婚は、女の子より遅くていいのよ」という意識があることを、指摘できるデータといえるかもしれません。
「最近の子は親に甘えて親から離れられない」という意見を持つ人もいるかもしれませんが、1つ強調しておきたいのは、子ども側の独立志向は以前に比べて高くなってきているということです。
あるアンケート調査結果では、「できるだけ早く独立したい」あるいは「親との同居は、自分に経済的自立ができるまで」と考えている若い未婚男性は合わせて7割近くもいることがわかりました。父親世代ではその割合が4割以下だったにもかかわらず、です。
日本は1995年以降、既婚者と未婚者を合わせた出生率合計特殊出生率が1.5未満となる超少子化社会に突入し、すでに20年以上が経過しています。統計的に見ると、日本の既婚夫婦が持つ最終的な子どもの数は長期的にはあまり変化がなく、2人程度で推移しています。
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また、婚外子(結婚している夫婦以外のカップルに生まれる子ども)の割合は極めて小さい国なので、統計上有効な少子化対策としては、夫婦の間に生まれる子どもの数を増やそうとする従来の「子育て支援策」よりも、急増する「未婚化対策」により真剣に取り組む必要があるのです。
政策としての未婚化対策がよい結果を出せなければ、日本はこのまま民族絶滅の危機、すなわち<絶滅指定危惧種>に指定され続けます。すでに中国やアメリカの知識層からは「(民族絶滅により)日本の文化が消えてなくなるのは残念だ」といった声までも上がっています。
データからは「子ども部屋おじさん」が急増する背景には「わが子かわいさ」のあまり、いつまでも息子との同居を許してしまう母親と、そんな妻(子ども)のありように無関心な夫、という日本の夫婦の姿が見え隠れします。しかし年齢差を考えれば、親が子どもの「生涯の伴侶」になることはできないのです。また、子どもは親のペットではありません。
この日本で、先進国のなかでは異例の割合で子どもを「子ども部屋」に囲い続け、親離れさせないのはいったい誰なのか――。私たちは考える必要があるのではないでしょうか。

コロナ「突然重症化した人」の驚くべき共通点

下記の記事は東洋経済オンラインからの借用(コピー)です

私は30年間救急医療に携わっている。1994年には、挿管法を指導する画像システムを考案した。呼吸を助けるための管を挿入するプロセスを指導するものだ。これを契機に私は挿管法のリサーチを行うようになり、その後、過去20年は世界各地の医師たちに向けて気管処置の講座を行っている。
3月末、新型コロナウイルス感染患者がニューヨークの病院にあふれ返るようになり、ベルビュー病院で10日間、ボランティアで支援にあたった。この間私は、このウイルスによって致命的となる肺炎の早期発見ができていないこと、そして患者を、人工呼吸器を使わずに回復させるための方法がもっとあるはずだと考えるようになった。
肺炎症状が出ているのに、息切れ感じない
ニューハンプシャー州の自宅からニューヨークまでの長距離運転中、友人のニック・カプトに連絡をした。彼はブロンクスに勤務する救急医で、すでに新型コロナ騒ぎの渦中で奮闘していた。私は今後自分が直面するだろう事態、安全を保つ方法、そしてこの疾患に対する彼の見解を知りたかった。
「リック、これはいまだかつて誰も見たことのないものだぞ」と彼は言った。
その通りだった。新型コロナによる肺炎はニューヨーク市内の医療システムに重大な影響を及ぼしている。通常、救急治療室(ER)に運ばれる患者は、 心臓麻痺や脳卒中といった重篤な状態から、軽度の裂傷、中毒症状、整形外科系のケガ、偏頭痛といった軽症までさまざまだ。
ところが、ベルビュー病院で10日間ボランティアをした期間中、 ERの患者はほとんどすべて新型コロナによる肺炎患者だったのだ。私はシフト開始からわずか1時間の間に、2人の患者に挿管していた。
呼吸器系の症状がない患者でも新型コロナ性の肺炎を患っていた。肩を刺された患者が来て、傷が肺に届いていないかを確認するためにレントゲンを撮った際、彼も肺炎だった。転倒してケガをしたということでCT
スキャンを撮った患者たちにも偶然、肺炎が見つかった。原因不明で失神した高齢者、多くの糖尿病患者も新型コロナに感染していた。
そして次の事実が私たちを心底驚かせた。こうした患者たちの胸のレントゲンは、肺炎が進んでいることを示しており、飽和酸素レベルも正常以下であるにもかかわらず、ほとんどが呼吸上の問題を訴えていなかったのだ。
いったいこれはどういうことなのだろうか。
私たちは、新型コロナ肺炎が、最初に「サイレント(無症候性)低酸素症」という酸素欠乏を引き起こすことを認識し始めた。陰湿で検出しにくい性質から「サイレント」と呼ばれている。
肺炎では患者は通常、胸部の不快感や呼吸時の痛みなどの呼吸障害を発症する。しかし、新型コロナ肺炎の場合、当初患者は酸素量が低下しても、息切れを感じない。しかしその間、驚くほど酸素濃度が低下し、中等度から重度の肺炎(胸部X線写真で見られる)になっていく。正常な酸素飽和度は94%から100%だが、私が見た患者の中には、酸素飽和度が50%にまで低下していた例もある。
来院時点ではすでに重体になっていることも
驚いたことに、私が見た患者のほとんどは、1週間ほど前から発熱、咳、胃もたれ、倦怠感などの症状が出ていたが、来院するまで息切れは感じていなかった。肺炎は明らかに何日も続いており、来院した時はすでに重体になっていることが多い。
救急科では、さまざまな理由で重症患者に呼吸管を挿入する。しかし、私の30年の経験では、緊急挿管を必要とする患者のほとんどは、ショック状態にあるか、精神的に混乱しているか、あるいは、息をするためにうなり声を上げるかしている。急性低酸素症のために挿管を必要とする患者は、多くの場合、意識を失っていたり、呼吸をするためにあらゆる筋肉を使っている。だが、新型コロナ肺炎の症例はまったく違う。
私が診た新型コロナ肺炎患者の大多数は、トリアージ時の酸素飽和度が著しく低く、一見通常生活を送れないような状態なのに、挿管の準備をする時でさえスマホをいじっていた。呼吸は速いし、胸部レントゲンでは危険なほど酸素濃度が低く、ひどい肺炎であったにもかかわらず、見た目には比較的最小限の苦痛を抱えているだけだったのだ。
なぜそうなるのか、私たちはようやく理解し始めたばかりだ。コロナウイルスは界面活性剤物質(サーファクタント)を産生する肺細胞を攻撃する。この物質のおかげで、肺の中の肺胞は呼吸の合間に膨らんだ状態を維持できる。サーファクタントは、肺が正常に機能する上で重要な物質だ。
新型コロナ肺炎の炎症が起こり始めると、肺胞が虚脱し、酸素レベルが低下する。それでも当初は、肺はこの状態に適応し、硬くなることも、液体を貯めることもない。この状態であれば、患者は二酸化炭素を排出できる。二酸化炭素が蓄積されなければ、患者は息切れを感じない。
患者は血中の酸素が低下するにつれ、より速く、深く呼吸をするようになる。無自覚に、だ。この無症候性低酸素症とそれに対する患者の生理的反応によって、炎症はいっそう進み、より多くの肺胞が虚脱する。ついには肺炎が悪化して、酸素レベルが急激に低下する。患者が激しく呼吸することで、いっそう肺を傷つけているわけだ。
患者の2割はその後、より危険性の高い肺損傷段階へと進展する。液体がたまり、肺は硬くなる。二酸化炭素レベルが上昇し、患者は急性呼吸不全を発症する。
目立って呼吸がきつくなり、危険なほどの低酸素レベルで病院にやってきたときにはもう、最終的に人工呼吸器が必要となることが多い。 息切れを感じることなく突然死亡する新型コロナ患者の症例は、無症候性低酸素症が急速に呼吸不全に進展する事態で説明できる(ただし、新型コロナ患者の大半は症状が比較的軽度で、治療なしで、1、2週間で回復しているようだ)。
救急で訪れる患者の肺損傷が驚くほど重篤なため、このパンデミックは医療体制に大きな負荷をかけている。新型コロナによる死亡は、肺機能の悪化によるものが圧倒的に多い。また、肺炎が十分進行するまで病院に行かない患者があまりに多いため、多くの人が最終的に人工呼吸器につながれ、これが機器不足につながっている。そして、いったん人工呼吸器につながれたら、多くの人が死んでいく。
低酸素症を早めに検知するには
人工呼吸器の使用を避けることは、患者と医療システムの双方にとって非常に有益である。人工呼吸器を装着した患者のためには、膨大な資源を必要とする。通気口をつけた患者に対しては、ベントに抵抗したり、誤って呼吸管を取り外したりしないように、複数の鎮静剤が必要である。
患者は静脈および動脈経路、さらにIV薬およびIVポンプを必要とする。また、気管内チューブに加えて、胃および膀胱にもチューブを挿入する。チームのメンバーは1日2回、各患者の肺機能を改善させるため、腹部を下に、さらに背中を下にして寝かせながら、動かすことが求められる。
新型コロナ肺炎を患う患者をより多く迅速に特定し、それらの患者をより効果的に治療するひとつの方法がある。その方法では、病院または医院でのコロナウイルス検査を待つ必要はない。普及型の医療器具を使って無症候性の低酸素症を早期に発見することが求められる。その器具とは「パルスオキシメーター」であり、ほとんどの薬局で処方箋なしに購入できる。
パルスオキシメーターは、体温計と同様、複雑なものではない。この小さな機器はボタン1つで起動する。利用者が指先に装着すると数秒で、酸素飽和度と脈拍数を表す2つの数字が表示される。パルスオキシメーターは、酸素化障害および高心拍数を検知する器具として非常に信頼度が高い。
パルスオキシメーターは、私が知る2人の救急医の命を救うのに役立った。早い段階で治療の必要性を警告したのだ。2人とも自分の酸素レベルが下がっていることに気づき、病院に行って症状回復へと至った(1人ははより長く、高度な治療が必要だったが)。低酸素症の発見、早期治療、詳細なモニタリングは、イギリスのボリス・ジョンソン首相の治療にも役立ったようだ。
自分で機器を使ってチェックするにせよ、クリニックや診療所で測ってもらうにせよ、パルスオキシメーターを活用したスクリーニングが広く普及することにより、新型コロナ肺炎に関連した呼吸障害を早期に発見できるシステムが確立できる。
パルスオキシメーターを自宅で使う人は誤って測定した数値を誤解し、不必要にERに来訪することを避けるために、使用にあたってはかかりつけ医に相談したほうがいいだろう。慢性の肺疾患を患っていることで、新型コロナとは関係なく、数値が比較的低くなる人も一部いるかもしれない。
検査で無症状になった人は2週間測るべき
新型コロナウイルスの検査で陽性になったすべての患者は、血中酸素飽和度のチェックを2週間にわたりするべきだ。新型コロナ肺炎は通常、この2週間のうちに発症する。
咳、倦怠感、発熱のある人たちについても、たとえウイルス検査を受けていなくても、あるいは検査結果が陰性だったとしても、血中酸素飽和度のモニタリングを受けるべきだ。PCR検査の精度は約70%しかないからだ。アメリカ人の大部分は、このことを知らない。
挿管や人工呼吸器に頼ることを避けるために私たちができることはほかにもある。患者の体位変換(患者をうつ伏せや横に寝かせること)を行うことにより、新型コロナ肺炎で最も影響を受ける下肺と後肺が開くことができる。
酸素投与と体位変換は患者の呼吸を助け、多くの場合、病気の進行を防ぐように見受けられた。カプトによる予備研究では、新型コロナ肺炎が進行した患者4人のうち3人が、この戦略で対処した直後の24時間内に人工呼吸器を必要としなくなったとのことだ。
現在までに、新型コロナによるアメリカ内での死者数は4万600人を超え、ニューヨーク州だけで1万人を超えている。パルスオキシメーターの正確性は100%ではなく、また万能薬でもない。今後も、避けられない死や最悪な結果がなくなることはないだろう。
なぜ特定の患者が重症化するのか、なぜ多臓器不全を発症する患者がいるのか、私たちはまだ完全には理解していない。すでに慢性疾患で衰弱している多くの高齢者や基礎的な肺疾患のある人々には、どんなに積極的な治療を行ってもそれが及ばない場合もある。
しかし、私たちは現在より上手く対処することができる。現在、多くの緊急治療室がこの病気に圧倒されているか、あるいはその状態に陥るまで秒読みの状況にある。無症候性の低酸素症をスクリーニングすることにより、新型コロナ肺炎の初期段階を早期に特定して治療するためのリソースを提供する必要がある。
ウイルスを追跡するのではなく、ウイルスより先回りするのは今だ。
(筆者のRichard Levitan氏は緊急医療医)

コロナうつ解消のカギは「スマホ首」自宅でもできる改善法

下記の記事は日刊ゲンダイデジタルからの借用(コピー)です

 海外メディアも注目しているのが、日本の自殺者数の多さだ。CBSニュースは昨年、「コロナの10カ月間より多くの命が、自殺によって奪われている」とのタイトルで日本の自殺の現状について配信している。自分に手をかけずとも、心を病んだ人も含めると、膨大な数に上るだろう。実はコロナうつ、コロナ自殺を食い止める“切り札”が、首にあるという。
  ◇  ◇  ◇

 全国の自殺者数については、警察庁がまとめている。CBSが報じた昨年10月の自殺者数は、9月より309人増えて2158人。その後、公表された11月は1798人だ。10月より400人近く減っているが、対前年同月比増は5カ月連続。

自殺者急増の背景

 昨年1年間の新型コロナウイルスによる死亡者数は3492人だから、10月と11月の2カ月でこれを上回る。11月までの合計は、1万9101人で、年末からコロナ感染が急拡大しているとはいえ、過去最多となった03年の3万4427人より少ないが、一昨年の2万169人を超えそうな上昇ぶりだ。

 感染爆発が続く米国やインド、ブラジルなどと比べると、感染者数も死亡者数もケタが2つ違う。世界的にはコロナ感染が落ち着いている日本の自殺者数がこのありさまだから、世界が驚くのも無理はない。

 中でも見逃せないのは女性の増加ぶりだ。女性の自殺者数は、対前年同月比で6カ月連続で増えている。全体の傾向を1カ月前倒ししている格好だ。せいぜい男性の半数程度で推移していたが、昨年10月は852人と男性の65%に上る。今や男性の半数超えはザラになっている。

 コロナ対策もさることながら、自殺対策も不可欠なのが現状だ。東京脳神経センター理事長の松井孝嘉理事長は、自殺対策に余念がない。松井氏が言う。

「2度目の緊急事態宣言が発令されて、仕事をしている人もなるべく出社せず、在宅勤務が求められています。そうすると、仕事も会議もちょっとした雑談もすべてオンライン上で、視線はモニターに注がれるため、姿勢は常にうつむき加減です。知らず知らずのうちに首への負担が増し、首の凝りが少しずつ蓄積されます。その結果、首を通る自律神経が圧迫され、さまざまな全身症状が表れて、最悪の結末として自殺があるのです」
うつむき加減の姿勢は首への負担が大きい拡大する
頭の重さは6キロ うつむく姿勢で荷重は3倍に
 PC作業も、スマホを見るのも、姿勢は同じうつむき加減で、松井氏はその体勢をスマホと呼んでいる。頭の重さは、ボウリングで男性がよく使う13ポンドのボール並みの6キロ。それがスマホ首だと、首への負担は3倍の18キロにハネ上がる。
 頭を支える構造上の凝りやすさに加え、スマホ首の荷重があると、首凝りが悪化するのは当然だ。
 スマホ首が体によくないのは分かるが、全身症状を引き起こし、ひいては自殺の引き金になるというのは、もう少し解説が必要だろう。松井氏が続ける。

「自律神経には、交感神経と副交感神経があり、それぞれがプラスとマイナスのような関係で体の機能のバランスを取っています。その働きは、心拍数や血圧、呼吸、体温などの調節のほか、内臓の動きや瞳孔の収縮などと全身に及ぶ上、精神面にも支障を来す。自律神経のどの部分が圧迫されるかによって、表れる症状が変わってくるのです。実は、首凝りのない『精神科のうつ病』の自殺率は15%ほどですが、『自律神経障害によるうつ』が重症化すると、9割に上る。一口にうつ状態といっても、その危険度は全く違うため、スマホ首から生じる首凝りを治療することがとにかく大切なのです」

薬は根治にはならない(C)日刊ゲンダイ拡大する
20の医療機関をハシゴした患者も
 スマホ首の人は、目の疲れは眼科、消化不良は消化器科、動悸は循環器科、気分の落ち込みは精神科といった具合に病院をハシゴする。それぞれの診療科で対応する薬を処方され、その時はよくなっても、根本が首を通る自律神経だから、根治にはならない。

 松井氏のところにたどり着いた患者の中には、20カ所以上の病院に通っていた人もいるという。

 ある男性は、原因不明の微熱で市販の解熱鎮痛剤を飲んだが、よくならない。様子を見ているうちに首や肩の凝りがひどくなり、頭痛や嘔吐もするように。仕事中にトイレに駆け込むこともしばしばだった。

 内科で処方された吐き気止めや鎮痛剤を服用しながら、何とか通勤したが、よくなる気配はない。不眠も重なって倦怠感から集中力が低下し、上司の問いかけにも気づかず、怒られることが増える。「もう限界」と自殺を考えるようになったところで、家族の勧めで松井氏のクリニックを受診。51日の入院で全快し、職場復帰できたという。

 松井氏は、女性の急増とともに自殺者数が増えているのは、コロナと密接な関係があるとみる。厚労省がまとめたコロナによる解雇や雇い止めは見込みを含めて累計8万836人。そのうち派遣やパートなど非正規労働者数は、半数近い3万8598人。内閣府の調査で非正規の割合は、女性が男性の2・5倍の55%。女性の非正規率の高さが、女性の自殺者数の増加につながっていると推測する。なるほど、NHKの調査でも、コロナで解雇や休業を余儀なくされた人は、女性は男性の1・4倍の26%だ。
15分作業したら首を30秒休める(C)PIXTA拡大する
治療の3本柱 自宅では休息と保温を
 では、スマホ首に伴うあらゆる不調とオサラバして、健康を取り戻すにはどうすればいいか。松井氏に聞いた。

「まずうつむいた姿勢を長時間続けるのをやめること。パソコン作業やスマホのチェックは、15分作業したら、30秒首を休めるのです。頭と首の境目あたりで両手を組み、頭を後ろに反らして30秒ほど首を休めるといい」

 松井氏の病院を受診した人は、首への低周波治療と電気鍼、遠赤外線の3本柱の治療を受ける。低周波治療と電気鍼を個人で取り入れるのは難しいが、遠赤外線治療は工夫次第で取り入れ可能だろう。

「首を温めるのは効果的です。冷えると、首の凝りが悪化して、症状がひどくなりますから。濡れタオルを電子レンジで温めるなどして、首の後ろ側に当てるといいでしょう」

 首や肩がつらくなると、自分でその周辺をもんだりしがちだが、自己流のマッサージは百害あって一利なしだという。

「首は、もんではいけません。自分でやるなら、温めるのが一番です。できるだけ首を休めながら温めてください」

 スマホ首が解消できれば、あらゆる不調がまとめてよくなる。スマホ首による自律神経性うつなら、抗うつ剤を使わずに前述の治療でよくなるし、頼りにしていた市販薬も処方薬もすべて不要になるという。

「首がよくなると、たとえコロナで仕事が不安定でも、『新しい会社の面接を受けよう』『別のバイトを探そうか』と不安ながらも前向きにとらえることができます。『もうダメだ』などと自分を追い込むことがなくなるのです」

 コロナ禍で体の不調を感じるようになった人は首を休めて、温めることから始めてみてはどうだろう。

 

追記:松井先生の病院は香川県観音寺市にある松井病院です。0875-23-2111

    先生の著書は多数あります。