日本人がやりがちな「寿命を縮める」3大悪習慣」

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人生100年時代」という言葉を、最近よく耳にします。筆者のもとには、「そんなに長生きしたくない」という意見も届いていますが、ほとんどの人は100歳まで生きられません。
100歳まで生きられる人というのは、あくまでも健康に気遣った「良い生活習慣」を送った上で、進歩した医療や科学技術を享受できる人です。たとえば、糖尿病、高血糖、過度の肥満など、生活習慣病を抱えた人が、90歳や100歳まで生きるのは、かなり難しい。
また平均寿命に対して、「健康寿命」という考え方があります。大きな病気を抱えず、生活に制限を受けずに生きられる期間が健康寿命です。病気で入退院を繰り返したり、要介護状態になったりしても、果たしてそれは幸せな老後と言えるでしょうか。
健康寿命を伸ばすためにどんな習慣が必要か。どんな悪習慣を優先して改善すべきか。筆者は精神科医なので、今回は体だけでなくメンタル面の健康も配慮した上で、健康寿命を伸ばすための3つのポイントを紹介します。
死亡率を大きく上げる「運動不足」
「日本人の健康寿命を削る習慣」は大きく分けて3つあります。まずは3位から紹介していきましょう。
第3位 運動不足
運動習慣が健康に与える影響はかなり大きい。たとえば、死亡率なら50%、心臓疾患なら60%、がんなら30%。糖尿病なら58%、認知症なら50%のリスクを減らせるという研究結果があります。逆に、運動不足の人は、正常な人の2倍以上の病気のリスクを抱えているという見方もできます。
しかし、医者が「健康のために、運動してください」と言ったとしても、ほとんどの人は「時間がありません」と拒絶します。
運動をそこまでハードルの高いものと思わないでも大丈夫です。健康のために必要な運動量と運動時間についてはさまざまな研究がありますが、最近の研究複数によれば「1日20分の早歩きでOK」というものが多い。また、アメリカ国立がん研究所によると、1日10分の早歩きで、寿命が1.8年延び、週に150分の早歩きで、4年半寿命が延ばせることも明らかになっています。
1日10分で効果あり。1日20分(おおよそ週150分に相当)で4年半の延命効果。すごい効果です。毎日の通勤時間を「早歩き」にするだけで、この基準は楽々クリアできます。運動不足と感じる人は、まずは「1日20分の早歩き」を実践してみてはどうでしょうか。
第2位 孤独
「孤独と健康には、関係があるの?」と疑問に思った人も多いかもしれません。しかし、孤独が健康に与える悪影響は甚大です。
アメリカ・ブリガムヤング大学の研究によると、「社会的なつながりを持つ人は、持たない人に比べて、早期死亡リスクが50%低下する」といいます。この死亡リスクは、1日15本の喫煙に匹敵。
(図:『ブレインメンタル強化大全』より)
また、過度の飲酒(アルコール依存症)の2倍、運動不足と肥満の3倍も健康に悪いといえます。
孤独を感じる人は、正常な人と比べて死亡率が1.3~2.8倍、心疾患が1.3倍、アルツハイマー病のリスクが2.1倍、認知機能の衰えが1.2倍高まります。また、うつ病は2.7倍、自殺念慮が3.9倍と、メンタルに対しても甚大な悪影響を及ぼすのです。
孤独というのは人によって感じ方が異なります。家族と同居していても、つながりを感じられなければ孤独です。飲み友達が多くいても、いざというときに相談できる友人がいなければ、それは孤独かもしれません。
少子高齢化がこれからさらに加速する日本。高齢者にも若い人にも単身世帯が増加しているので、孤独に悩む人の増加が予想されます。もしも健康的に生きたいのなら、「積極的につながりを求める生活」を心がけたいものです。
人は寝ないとどうなるのか?
第1位 睡眠不足
「2007年の日本における危険因子に関連する非感染性疾患と外因による死亡数」という報告によると、原因別に最も健康に悪いのは「喫煙」「高血圧」「運動不足」「高血糖」「塩分の高摂取」「アルコール摂取」となっています。
(図:『ブレインメンタル強化大全』より)
高血圧と高血糖(糖尿病)は、原因というよりもすでに病気、またはその予備軍ですから、死亡率を高める健康習慣という意味では、喫煙と運動不足がトップといっていいでしょう。
ただし、この研究結果には「睡眠不足」が含まれていません。ランキングの下位を見ても出てこないので、そうした分類自体を行っていないようです。
睡眠不足の悪影響が現れてくるまでには、10年、20年以上の年月を要するため、非常に統計がとりづらい。睡眠不足は、時間差でジワジワと悪影響が訪れる非常に怖い悪習慣でもあります。
個別の研究でみると、睡眠時間が6時間未満の人は正常な人と比べて、がんが6倍、脳卒中が4倍、心筋梗塞が3倍、糖尿病が3倍、認知症が5倍、鬱病が5.8倍、自殺率が4.3倍も、リスクが高いという結果が見られます。
これらの疾病リスクは、喫煙に匹敵、病気によっては喫煙のリスクを凌駕しています。ということで睡眠不足が、精神科医の筆者が考える最も健康に悪い生活習慣です。
最近では、睡眠中にアルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβ蛋白が脳の中で洗い流されることがわかりました。つまり、睡眠不足の人はアミロイドβ蛋白が洗い流せずドンドン溜まっていくため、認知症のリスクがとても高いわけです。
10年、20年先も健康的に長生きしたければ、きちんと眠ることをおすすめします。睡眠時間が6時間未満だと睡眠不足、健康のためには「7時間以上の睡眠」が必要だと覚えておきましょう。
健康と長寿を守る「3つ習慣」
以上が精神科医の視点で見た「寿命を削る3つの悪習慣」です。もし内科の医師が悪習慣を選ぶとしたならば、「食事」と「喫煙」が入ったかもしれません。しかし、今回はあえてそれらをはずしました。なぜならば、食事の指導をしても、それを守れる人がほとんどいないためです。
特に糖尿病、高血圧、肥満の人(またはその予備軍)にとって、食事の改善は極めて重要ですが、実際は指導をしても多くの人が守れません。だから、食事よりも取り組みやすい「睡眠不足」や「運動不足」の改善から取り組むことをお勧めしています。
喫煙も同様で、喫煙者にとって、それは健康を阻害する悪習慣であることは既知のものです。有害性を今さら指摘したところで、禁煙する人も少ないでしょう。
健康を守るためには、やれることからやっていくことが重要です。今回紹介した「7時間以上の睡眠」「つながりを大切にする生活」「20分の早歩き」は食事制限や禁煙よりも比較的取り組みやすいものなので、ぜひ実践してみてください。