izumiwakuhito’s blog

あなたでしたらどう思いますか?

お腹がスッキリしない「停滞腸」にご用心 対策は納豆に意外な「ちょい足し」

下記はAERAdoからの借用(コピー)です


お腹がスッキリしない「停滞腸」にご用心 対策は納豆に意外な「ちょい足し」

「食後、下腹部が出る」「いつもおなかがスッキリしない」。そんな症状に身に覚えがあれば、「停滞腸」の可能性がある。どうすれば改善できるのか。AERA 2021年6月14日号は医師に聞いた。

*  *  *
「コロナ禍が始まってからは、先がどうなるか分からない不安や、在宅勤務で活動量が激減したことから、『停滞腸』がより増えているように思います」

 こう指摘するのは、医師で松生(まついけ)クリニック(東京・立川)院長の松生恒夫(つねお)さん。健康な腸は、腸管の口側が収縮し、肛門(こうもん)側が弛緩(しかん)して内容物を先へ押し出す蠕動(ぜんどう)運動が絶え間なく起こっている。停滞腸は、蠕動運動の動きが悪く、便や老廃物が完全に排泄されなくなった状態で、松生さんの造語。腸内環境が悪化するので、ガスが発生しやすくなり、腹部膨満が起こる。停滞腸を放置すれば、肌荒れ、食欲不振、胸焼け、むくみ、肥満につながりかねない。

 松生さんによれば、停滞腸に陥る人には、共通点があるという。「野菜や果物をあまり取らない」「水分を意識的に多くとっていない」「朝食を抜いている」「1日3食きちんと食事していないことがよくある」「外食が多い」「肉や脂肪分の多い食事が好き」「いつもおなかがスッキリせず、体も重たく感じている」「食後、下腹部が出る」「運動習慣がない」「最近、不安やストレスを感じる」──などだ。あなたはどうだろう?

■1週間で違いを感じる

「停滞腸は、食生活や生活習慣との関わりが大きい。ほんの少しの変化でも、影響を受けて、働きが悪くなります。しかし言い換えれば、食生活や生活習慣を良い方向に持っていくことで、停滞腸が改善されます。腹部膨満が出て間もない人なら、1週間で腸の違いを感じます」

 松生さんが勧めるのは、六つの習慣で成り立つ「腸内リセット」法だ。(1)朝は1時間ほど余裕を持って起きる、(2)目覚めてすぐにコップ1杯の水を飲んで、腸をしっかり働かせるスイッチを入れる、(3)朝食を食べ、排便に重要な「大蠕動」を起こす。

「朝の大蠕動は、朝食後1時間以内に起こり、一日で最も強い便意です。時間がないからと便意を我慢すると、便秘につながりやすく、停滞腸を招きます」
 さらに、(4)味噌、しょうゆ、漬物などの発酵食品に含まれている植物性乳酸菌をとる(FODMAPの悪影響を受けている人は除く)、(5)水溶性と不溶性の食物繊維をバランス良くとる、(6)食事は野菜やキノコ類の食物繊維から食べ始め、肉や魚のメイン、最後にご飯を少量とる。

「食物繊維に関しては、やみくもに量をとればいいというのではありません。水に溶けやすい水溶性と、水に溶けにくい不溶性を1対2の割合でとるのが理想的です」

 不溶性食物繊維だけが多いと、便が硬くなったり、水分不足で腹部膨満が強くなったりする恐れがある。食物繊維にバリエーションを持たせて食べると良い。

 これらに加えて、松生さんが提案するのは、オリーブオイルを毎日とること。

「オリーブオイルに含まれるオレイン酸は一時的に多量に摂取すると、小腸まであまり吸収されることなく腸内に残ります。そして腸内の便を軟らかくし、また腸を刺激し、排便を促す蠕動運動を活発にする働きがあります」

 年をとると腸の働きが悪くなるため、高齢者から停滞腸について相談を受けることが、松生さんはよくある。オリーブオイルを提案すると、「食べ慣れていないから」と言われることもあったが、“ある食べ方”を紹介するようになってからは、「おいしい」と好評。「病みつきになって、毎日食べています」という人も出てきた。

クリーミーで匂い消失

 その食べ方は、オリーブオイルを納豆にかける方法。何も入れずに納豆をよくかき混ぜ、納豆を持ち上げるとしっかり糸が引くくらいまでネバネバになったら、オリーブオイルを大さじ1杯程度入れ、納豆全体になじむようにさらにかき混ぜる。

 オリーブオイルは、エキストラバージンオリーブオイルを使う。最後に、付属のタレやしょうゆを加えてまんべんなく混ざったら出来上がり。納豆が非常にクリーミーになり、独特の匂いも消える。

「納豆そのものが消化がよく、水溶性食物繊維も豊富。オリーブオイルと納豆は意外な組み合わせかもしれませんが、停滞腸対策としては、抜群に相性のよい食材なのです」

(ライター・羽根田真智)