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老化を進める“4悪”とは…すべて揃えばリスク81倍

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人体の隅々まで張り巡らされている「血管」も、加齢とともに老化が進行していく。それが「動脈硬化」で、心筋梗塞脳卒中などの重篤な病気を引き起こす。国際血管健康学会(ISVH)理事で「信濃坂クリニック」(東京都新宿区)の高沢謙二院長(東京医科大学名誉教授)が言う。

「血管の老化を進める重要な危険因子は、『高血圧』『糖尿病』『脂質異常症』の生活習慣病と、『喫煙』の4悪です。このうち1つあれば心筋梗塞脳梗塞の危険度が3倍高まります。そして、この4悪は互いに悪い影響を及ぼし合うので、2つ重なれば3×3で9倍、3つなら27倍、4つなら81倍に高まると思ってください。逆にいえば、この危険因子を1つでも減らせば、危険度を3分の1にすることができるのです」

 生活習慣病にならない毎日の生活の仕方、すでになっていてもその病気を管理・コントロールすることが動脈硬化を進行させない重要なポイントになる。そして、4悪の中でも最も患者数が多いのが高血圧だ。血圧管理のために、ぜひすぐに始めるべきなのは毎日家庭で血圧を測ること。血糖値やコレステロール中性脂肪などの数値は血液検査でしか分からないので、年1回の健診が大切になる。しかし、血圧だけは電子式の自動血圧計があれば、家庭で定期的に測れるので管理しやすい。

日本高血圧学会のガイドラインでも2014年以降は、診察室血圧と家庭血圧に差が出た時には、家庭血圧を採用して診断・治療に当たるとして重要視している。病院で測る診察室血圧は、緊張して血圧が高めに出てしまうからだ。

 血圧の基準値は、診察室血圧が「収縮期血圧(上)140㎜Hg/拡張期血圧(下)90㎜Hg」、家庭血圧が「上135㎜Hg/下85㎜Hg」。上下の血圧のいずれかがこの数値を超えると高血圧と診断される。

 家庭血圧計はいろいろな種類があるが、上腕の部分で測定するタイプであれば、ほぼ正確に測ることができる。手首や指で測るタイプは、人によって正確な数値が出ないことがあるという。

ガイドラインでは、家庭血圧は起床時と就寝時の1日2回測ることを勧めていますが、1日1回、朝起きた時に測ればいいでしょう。また、1機会に2回測って、その平均を記録することを推奨していますが、より安静が保てて低い数値が出る傾向のある2回目を採用すればいいと思います。測定に慣れてきたら1回測って、前日と変わらなければ1日1回でもかまいません。あまり厳密にやろうとすると、かえってストレスになり、血圧を上昇させてしまいます。そして、注目するのは上の数値です。135を超えていなければ、まずは安心です」

 上の基準値が超えているならば、塩分を控えた食生活や肥満を解消する運動習慣などが必要になる。日本の成人男性の1日の塩分摂取量は平均11グラムとされている。血圧が高ければ、とりあえず塩分摂取量を1ケタ(9グラム)に抑えることを目標にした方がいいという。

 また血圧の数値から動脈硬化の程度を算出することもできる。それが太い血管の動脈硬化の度合いを示す「脈圧」と、細い血管の動脈硬化の度合いを示す「平均血圧」だ。脈圧の計算式は「上の血圧―下の血圧」。たとえば上120で下80であれば「40」となる。脈圧が50以上だと要注意、60以上ではかなり危険な状態という。

■下の血圧だけ降下は発症が近い

「よく患者同士で『上の血圧は高いままだが、下の血圧は下がってきたので、とりあえず安心』と喜んでいる会話が聞かれますが、それは大きな間違いで危険です。動脈硬化が進行して脈圧が増大すると、その分だけ下の血圧が下がっていくのです。喜ぶどころか、突然、心筋梗塞脳卒中を起こす状態なのです」

上の血圧が同時に下がってきたり、正常範囲であれば下の血圧が下がっても問題ない。つまり、下の血圧が正常かどうかは上の血圧で決まるのだ。また脈圧が40だとしても、上150、下110のような上下両方が基準値を超えていたら、危険な状態であることには変わりはない。

 平均血圧の計算式は「下の血圧」+「(上の血圧―下の血圧)÷3」。たとえば上の血圧が120で、下の血圧が80だった場合には、平均血圧は「93」になる。末梢血管の動脈硬化の程度を示す平均血圧は、脈圧よりも早く上昇し、100を超えると要注意という。


高血圧症で気をつけるべき塩分・野菜・運動


血圧が高いと血管壁を傷つけ、動脈硬化を進行させる。高血圧の人には「減塩」が勧められている。それには2つの理由がある。塩分を多く取って血液中にナトリウムが増えると、レニンやアンジオテンシンなどの血圧を上昇させるホルモンの分泌が高まる。それと血液中に増えたナトリウムを薄めようとして、血液中に水分が引き込まれて血液量が増え、それを押し出すために血圧が上昇するからだ。

 1日の食塩の摂取目標は、高血圧および慢性腎臓病の重症化予防を目的とした量として、厚労省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では「6グラム未満」としている。日本高血圧学会が推奨する量も同じだ。しかし、実際にどれだけ食塩を取っているか分からない。また、血管に良いとされる栄養素や食品はたくさんあるが、それをいちいち意識して食べるのも面倒だ。何かいい食事方法はないのか。国際血管健康学会(ISVH)理事で「信濃坂クリニック」(東京都新宿区)の高沢謙二院長(東京医科大学名誉教授)が言う。

「血管を若返らせる食事のコツは『野菜優先・野菜中心食』です。厚労省が推奨する1日の野菜摂取量は350グラムですが、お椀に盛ると2杯分くらいになります。その量を毎食に分けて、食事の最初に食べるのです。『野菜を、先に、いっぱい食べる』が合言葉です。この食事法を毎日続けていれば、血圧だけでなく血糖、コレステロールなど、血管を傷める危険因子のすべての数値が下がります」

 野菜を先に食べると、お腹がすいているのでドレッシングを多くかけたり、濃い味にしなくてもおいしくたくさん食べることができる。また、野菜にはナトリウムの排出を促してくれるカリウムが豊富に含まれている。

 食後血糖値の急上昇は血管を傷つけるが、野菜を先に食べれば食物繊維が糖質の吸収を遅らせるので、血糖値の上昇が緩やかになる。それに血液中のコレステロールの8割は肝臓で作られ、摂取カロリーが多いと上昇する。野菜を先にいっぱい食べれば、食事全体の摂取カロリーが抑えられるわけだ。

 血管を若返らせるには、小まめに体を動かすことも良い。全身の血流が良くなれば、血管への負担も減るからだ。しかし、嫌々「運動しなければ」とストレスに感じるようなら、かえって良くない。そこで高沢院長が考案したのが、自宅で簡単にできる「血管若返り体操」。3種類のポーズがあり、毎日朝晩2回、各1セットずつ行うといい。

■基本のポーズ

①体の力を抜いて、自然に立つ。両足の幅は、かかとを上げやすい間隔にする。②両足のかかとを同時に上げ下げする。これを1セットとして10回行う。

■いばったポーズ

①体の前で腕を組む。腕は体についてもOK。②基本ポーズ(かかとの上げ下げ)と同時に、両肩を上げ下げする。これを1セット10回行う。

①両手を体の横に開いて置き、両肘を後ろに引く。手のひらを前方に向ける。②基本ポーズ(かかとの上げ下げ)と一緒に両肩を上げ下げする。これを1セット10回行う。

「ふくらはぎは第2の心臓といわれます。『基本ポーズ』は、そのふくらはぎの筋肉の収縮によるポンプ作用で下半身の血流をアップさせます。『いばったポーズ』はお腹と胸の血流をアップさせます。腕ではなく、肩を上げ下げするように意識してください。『こまったポーズ』は、背中の血流をアップさせます。これも肩を上げ下げするように意識してください。この3つの体操を行うことで全身の血流循環が良くなり、血管をほぐすストレッチになるのです」

 血管を守る最大のポイントは、血管の中が脱水にならないようにすること。心筋梗塞脳梗塞などの血管事故を防ぐのに最も大切になる。喉が渇きを感じたときは、すぐに水分を補給。減塩が高血圧予防に大切なことを述べたが、これから夏に向かって注意して欲しいことがある。

「炎天下のゴルフで大量に汗をかいたら必ず塩分も一緒に取ってください。塩分のない飲料で水だけ補給をしていると、汗で塩分が失われていくのと同時に血液が薄まります。血液の濃度が低下すると、脳は十分に水分があると勘違いして、喉の渇きが起こらなくなってしまいます。そのため熱中症で倒れてしまう人が多いのです」

「喉が渇いたら水を飲め、汗をかいたら塩も取れ」を肝に銘じておこう。

「わずか3カ月で要介護2→5」認知症で暴れる祖母を"穏やかな人間"に戻した孫娘の奇跡

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絶望感…92歳祖母の認知症は悪化、自分は人員整理でパート解雇

3年前、92歳の祖母に認知症の症状が出始めた。伯母の強い勧めもあっていったん入院することになったが、入院後、祖母の状態は悪くなるばかり。せん妄がひどくなり、大声を出す、暴言を吐く、暴力行為をするなど、悪化の一途を辿り、認知力も急激に低下していった。
介護をするのは孫娘にあたる当時37歳の雨宮桜さん(関西在住・独身)。1歳半の時に父親が駆け落ちし、一家離散状態に。育ての親となってくれた祖母は恩人だ。
祖母の入院中、雨宮さんはパートとして勤めていた会社を解雇されていた。事業縮小による人員整理だった。それでも祖母の入院中に求職活動を行い、就職先が決まったが、祖母の病状が悪化したため、2カ月も経たずに離職した。
「祖母が暴れるのは入院前からでしたが、入院という大きな環境の変化と、『もう家に帰れないかもしれない』という不安の中で、症状が悪化したようです。暴れてしまったことによって強い薬に変えられ、別人のようになってしまいました。私は、処方された薬が合っていなかったのではないか、また医師のピック病(認知症)という診断は正しかったのかと疑っています」
1歳半の自分を引き取り育ててくれた祖母の「38年間の恩」に報いたい
雨宮さんは、もともと入院させる気はなかったうえ、病院や医師への不信感がつのり、「祖母を退院させたい」「自分が家で介護したい」ということを主治医に掛け合い続けた。
主治医からは何度も「在宅介護は無理です」と反対され、「精神科の病院に転院するか、このまま入院を続けるかの2択しかない」「いずれにしても、管に繋がれたまま眠らされ、ただ生きているだけの状態になりますが……」と冷たく突き放された。
それでも雨宮さんは、「どんな状態になっても絶対に連れて帰る。覚悟は変わらない」と決意を伝えてきた。自分が歩くか歩かないかの頃から祖父とともに育ててくれた祖母を介護したい。その一心で食い下がったのだ。
その熱意が通じたのか、ほどなくして退院が決まる。しかし退院前の認定調査では、祖母は要介護5(要介護認定で最も重い段階)に上がっていた。入院前は要介護2だったが、たった3ヶ月で急に5にまで上がってしまったのだ。雨宮さんは退院後の自宅での介護生活を見据えて玄関や廊下に介護用具の設置を依頼したが、介護用具会社のスタッフも、あまりの急展開に驚いていた。
「私は最初から施設に入れる気も、入院させる気もなかったので、家に連れて帰ることは当然のこと。他に選択肢はありませんでした。祖母の退院が決まったときから、私は喜びとともに、淡い期待と希望を持っていました」
しかし、そんな期待と希望はいとも簡単に打ち砕かれた
これが要介護5の現実…リモコンを投げつけられ鼻血がダラダラ
約3カ月ぶりに帰宅した祖母は、より一層理性がきかなくなっていた。
オムツを替えようとする雨宮さんの腕を突然引っかいたり、雨宮さんのメガネを投げたりするのは序の口で、ひどいときは、髪を鷲掴みにして十数本毛が抜いたり、汚物が入ったポータブルトイレをわざと倒したり。リモコンを雨宮さんの顔めがけて投げつけた時は、鼻に命中し、鼻血がダラダラ流れ出た。その様子を見て、「アホや」「面白いな~」と笑うこともあった。
また、食事の際には、料理の皿をひっくり返したり、口に入れたものを「ぶー!」と撒き散らしたりした。
「退院してすぐの頃は、祖母の暴言や暴力行為に対して、私は声を荒げたり、手をあげたりしてしまいました。まだその頃は、入院前の祖母の記憶が鮮明に残っていたため、私も精神的に不安定だったのだと思います。突然理不尽に怒ったり、暴力行為をしたりする祖母の姿に、いちいち苛立っていました。でもそんな自分が嫌で、眠っている祖母の顔を見ながら、いつも泣きながら謝っていました……」
「大好きな祖母は、もうこの世に存在しない」と言い聞かせた
雨宮さんは、少しずつ自分の意識改革に努める。「赤ん坊の私を育てあげてくれた大好きな祖母は、もうこの世に存在しない」と自分で自分に言い聞かせ、思い込むことにしたのだ。
「祖母は、厳しくも優しくもあり、しっかり者ですが、お茶目なところもたくさんあって、一緒にいると楽しい人。どんなときも私の味方でした。でも、私の知っている祖母はもういない。目の前にいる祖母が、別人のような感覚になるのがあまりに辛すぎました。『もういない』とでも思わなければ心がバラバラに張り裂けてしまいそうでした」
そうした心の持ち方の工夫により、雨宮さんはだんだん気持ちが楽になっていった。
3年後、荒れ狂っていた祖母が穏やかな人間になったワケ
それから3年経ち、雨宮さんは39歳。95歳になった祖母は、デイサービスやショートステイ訪問看護を利用している。
以前、入院中に処方されていた抗精神病薬睡眠薬は、退院後はのんでいない。別の病院で血液検査などを受け、新たに処方された認知症薬などを服用している。
「喉が詰まりやすい」症状は、訪問医に相談したところ、「逆流性食道炎ではないか」とのことで、薬をのむようになってからは格段に良くなった。
雨宮さんの介護の甲斐あってか、祖母は徐々に穏やかになっていった。歩くことはできないが、話すことや座って食べること、つかまれば立ち上がることもできるようになっていた。
認知症の症状には「中核症状」と、「BPSD(行動・心理症状)」と呼ばれるものがある。
「中核症状」は、脳の神経細胞が壊れることによって直接起こる症状で、記憶障害や判断力の障害などがあり、認知症になれば誰にでも現れる。
一方、周囲の人との関わりのなかで起きてくる症状を「BPSD」という。暴言や暴力、興奮、抑うつ、不眠、昼夜逆転、幻覚、妄想、せん妄、徘徊、もの取られ妄想、弄便、失禁などはいずれもBPSDだ。人それぞれ表れ方が異なるが、背景には必ず理由がある。それが何かを考え、本人の気持ちに寄り添った対応をすることで、改善できる場合も少なくない。
「祖母のお世話をすることが、私の生きがい。奇跡を起こしたい」
雨宮さんの祖母の場合、本人が望まなかった入院をきっかけにBPSDが強く出てしまった可能性があるのではないか、と雨宮さんは考えている。
「祖母は先日、『助けてぇ! 助けてぇ!』と叫んでいるので、『どしたん?』と訊ねると、『ちゃあちゃん(自分のこと)売られていくねん』と言います。そこで、『私が悪いやつは退治したるで安心しや!』と言うと、すぐに納得してくれました。見違えるように穏やかになり、昔の祖母に戻ったように感じる時が稀にあります。一昨日は、私が部屋の電気をつけっぱなしにしていたら、『誰も居ない所は消しとかんともったいない』と注意されました。入院していた病院の医師に、今の祖母を見せてあげたいです」
暴言や暴力行為は、嘘のようになくなった。祖母の入院を強行した伯母との仲は、完全に元通りになることは難しいが、回復はしている。
「正直、伯母のことは恨みました。もちろん自分のことも責めましたが、『あの入院さえしなければ』という思いがずっとあり、一時は避けていました。でも、時間の経過とともに、『伯母を恨んでいても、元の祖母には戻らない』と思うようになり、普通に話をするようになりました」
最近の祖母は、寝ている時間が長くなった。その間に雨宮さんは家事を済ませ、自分の時間を持つ。
「在宅介護を始めたばかりの頃は難しかったですが、1人の時間を少しでも作ることを心掛けています。自分の楽しみを見つけること。見つけた楽しみを諦めないこと。イライラしたり、『もう無理だ!』と感じたりしたときは、一旦その場から離れることにしています。介護は体力的に大変ですが、私の場合は、大好きだった昔の祖母にはもう二度と会えないという精神的な面で、本当に苦しい時期がありました。今では心の整理ができていますが、まだ心の片隅で、『奇跡を起こしたい!』と思っています」
デイサービスが終わり、車から降りてくる祖母を出迎えると、祖母は雨宮さんの顔を見るなり「桜ぁ~! 会いたかったぁ!」と号泣することがある。それを見たスタッフは、「何十年かぶりの再会みたいやなぁ」と大爆笑。しかし祖母はおかまいなく、「長いこと会わへんかったなぁ! 大きくなったなぁ!」と言いながら雨宮さんに抱きつく。
「今は、祖母がただそこで穏やかに笑ってくれているだけで、すごく嬉しいです。祖母のお世話をすることが、私の生きがいになっているように思います」
「長生きが幸せ」とは限らない。また、被介護者が重度の認知症の場合、幸せかどうかを本人に確認することは難しい。だが、雨宮さんの祖母のように、誰かに幸せを与えられているならば、「長生きは幸せ」だと言えるのかもしれない。

自画撮り、盗撮...児童ポルノ犯罪から子どもを守る セコム

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[クローズアップNEWS] 自画撮り、盗撮...児童ポルノ犯罪から子どもを守る

セコムの舟生です。
今回の[クローズアップNEWS]は、このところ増え続けている「児童ポルノ被害」を取り上げます。
警察庁の発表によれば、今年上半期に検挙された児童ポルノ事犯は過去最多の831件。
被害児童数も383人で過去最多になりました。小学生以下の被害者は60人にのぼります。
児童ポルノの製造手段として多いのは、子ども自身に体を撮影させてメールなどで送信させる「自画撮り」。無防備な子どもを狙った悪質な「盗撮」も横行しています。
このような児童ポルノ被害から子どもを守るために、どうしたらいいのでしょうか。
実際に起きた事犯を取り上げながら、対策を考えてみたいと思います。

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SNSや無料通話アプリに注意!巧みな「自画撮り」の手口
子どものスマホ利用率が高まる一方で、子ども自身に写真を送らせる「自画撮り」による児童ポルノ被害も増加しています。ここ数カ月間に起きた事犯をご紹介しましょう。
・無料通話アプリのチャットで小6女児に「顔写真をネット上にばらまく」と脅し、裸の画像を送らせた男を逮捕。女性を装って女児に近づき、顔写真を交換していた模様(神奈川県 8月)
・小学生女児に裸の写真を送らせた30代男を逮捕。11歳女児に携帯電話で自身の裸の写真を撮らせ、無料通話アプリを通じて送信させた疑い(富山県 7月)
・小6と中1の女児にスマホで自分の裸を撮影させ、写真や動画を送らせた男を逮捕。女児らは「しつこく言われて従った」「スタンプをもらったので言うとおりにした」と話している(愛知県 6月)
SNSで知りあった小学生女児に裸の画像を自画撮りさせ、スマホに送信させた男を逮捕(埼玉県 1月)
無料で利用でき、手軽に誰でも登録できるSNSや無料通話アプリは、小学生にも利用者が増えています。しかし、子どもに近づく目的でこうしたサイトやアプリを利用する悪意ある大人がいることも、忘れてはなりません。
同性になりすまして「友情の証」に写真を要求したり、悩み相談に応じて弱みを握って言いなりにさせようとしたりする事犯があとを絶ちません。
その手口は巧みで、だまされても不思議ではありません。
子どもの利用状況を把握するとともに、子どものSOSを早めに察知することが大事です。
■ 保護者がすべきこと
○ 子どもが利用するサイトやアプリは必ず保護者が確認する
○ 誰とどのようなやりとりをしているか利用履歴をオープンにさせる
○ わが家のルール(利用時間や場所など)を決め、守らせる
○ 悪用される可能性のある個人情報について、子どもと話し合う
○ 子どもの様子をよく観察する
■ 子どもとの約束
○ 裸や下着姿の画像を要求されても、絶対に送らない
○ 裸に限らず、インターネット上にアップされたら困る写真は友だちにも送らない
○ インターネットで知りあった人には絶対に1人で会わない
○ 名前や年齢、住んでいる場所や学校名、携帯電話番号・IDなど、個人情報にあたるものは、他人には絶対に教えない
○ 困ったときや、おかしいと思ったときは、すぐに親に相談する

▼ 狙われるのはどんなとき?悪質な「盗撮」の手口
次に、ここ数カ月で起きた「盗撮」の事犯をご紹介しましょう。
・商業施設の試着室で、小1女児2名が着替える様子を盗撮した男を追送検。「抵抗せず、周囲に保護者のいない女児を狙った」と供述。自宅PCからは、盗撮した女児480人の映像を確認(京都府 9月)
・書店で小5女児のキュロットスカートの下にスマートフォンを差し入れ、盗撮した男を逮捕(広島県 8月)
・商業施設のゲームコーナーで小3女児のショートパンツの裾をめくって下半身に触れ、デジタルカメラで撮影した男を逮捕。「抵抗しないと思った」と供述(京都府 8月)
・小学校体育館に侵入して女児の着替えを盗撮しようとした20代男を逮捕。児童が床にあったビデオカメラに気付いて発覚(埼玉県 8月)
・書店で本を選んでいた小6女児のスカートの中をスマートフォンで撮影した男を逮捕。不審な男に気付いた女児が、一緒にいた父親に相談し、防犯カメラで犯行が発覚(京都府 6月)
盗撮の犯行場所に選ばれているのは、商業施設をはじめ不特定多数が出入りする場所が多いですね。
家族連れが多い健全で楽しい場所でも、盗撮の場として選ばれることがあるのです。子どもは目の前のことに夢中になっていると、背後の気配に気付かないことがあるため、本を選んだり、ゲームに興じたりしているときは、特に狙われやすいと言えます。
「抵抗せず、周囲に保護者がいない子を狙った」という供述からもわかるように、子どもだけでいるときは狙われる可能性があると考える必要があります。
保護者が一緒に外出するときは保護者が注意を払い、子どもにも盗撮の危険について教えていただきたいと思います。
■ 保護者がすべきこと
○ 過度にかわいらしい服装や露出の多い服装はさせない
○ スカートのときはスパッツをはかせる
○ 公共の場では子どもの姿勢や座り方などにも注意を払う
○ 子どもの身辺をよく見て、不審な動きをする人が周囲にいないか常に注意する
■ 子どもとの約束
○ 階段やエスカレーターでは、後ろに注意する
○ 遊びに夢中になりすぎず、ときどき後ろを振り返る
○ 不審な動きをする人や、近寄ってくる人がいないか注意する
○ 写真を撮らせて欲しいと言われても決して応じない

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警察庁の調べによれば、児童ポルノ事犯の約8割がインターネットに関連しているそうです。
写真データはパソコンやスマホに保管されることが多いため、盗撮の画像も、自画撮りの画像も、いつインターネット上に流出してもおかしくはありません。
インターネット上に一度流出した画像は削除が困難です。
児童ポルノ被害を未然に防ぎましょう。 

医療者は軽症でも重症でも患者に「希望」を提供することが大切

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自ら死を願う筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者(当時51)の望みを、SNSで知り合った2人の医師が薬物を投与して殺害したとされる嘱託殺人について思うところを前回お話ししました。法律上も倫理上も認められていない医療行為を個人的な考えで実行したルール違反は絶対に許されません。

 常に患者を守る側に立つ。医師としての大原則です。しかし、医療の現場では、病気と闘っている患者さんが「もう死にたい」という思いを抱く場面が実際にあるのは事実です。それでも、医師は患者さんに「死」ではなく「光」を見せられるように尽力するものです。

「頑張りましょう」などと励ます行為そのものが治療に反する行為になるような精神疾患がある患者さんに対しては、それに類する言葉や行為は控える必要があります。こうしたケースは例外として、一般的に患者さんが病気や治療によって身体的にも精神的にも苦痛を感じていて死を望むような状況では、まず、そうした思いを抱かせないような医療環境やコンディションをつくることが前提になります。たとえば、尿管結石のようなとんでもない痛みを感じたことがある人ならば、「こんなに痛むのならば死んだ方がましだ」と思った経験があるのではないでしょうか。

そういった患者さんが感じている苦痛を少しでも取り除けるような手だてを模索し、実践することで、治療に対する前向きな姿勢を生み、生きる権利を見いだしてもらうのです。

■医療は確実に進歩している

 それでも、患者さんの思いが変わらないようなら、「希望」を見つけられるような可能性を伝えます。そのためには、医師と患者さんがお互いに共有している現時点での医学的な知識や情報よりも、先=未来にあるものを患者さんに理解してもらわなければなりません。

 たとえば、末期がんで残された時間が少ないことを自覚している患者さんが、「一日でも早く楽になりたい……」といった思いを口にした場合、まずはいまよりも痛みやつらさを少なくする治療法を一緒に考えます。そのうえで、新しい治療法によって、がんは消滅しないまでも共存しながら日常生活を送れる時間をつくれるようになる可能性がある、といったお話をします。がんの縮小が見られたらすぐに画期的な特効薬を使える可能性について話すのもよいでしょう。

分子標的薬のオプジーボが登場したように、近年はそれに近いことができるような新しい治療法がどんどん出てきています。たとえばインフルエンザを考えてみても、50年ほど前まではワクチンも急性期治療薬もなく、たくさんの人が亡くなっていましたが、いまは助かるようになりました。抗がん剤にしても、かつては定期的に投与しながら日常生活を送ることができるケースは少なかったのですが、いまは抗がん剤治療を受けながら、それまでと変わらないように仕事をしたり生活を送っている患者さんが当たり前になっています。

 長いスパンで見ると、それくらい医学は進歩しているのです。しかも、いまはテクノロジーが急速に進化しているので、これまで何十年もかけて実現させてきたことが、たった1日でできるようになる可能性もゼロではありません。医療者側は常にそうした最新の知識や展望を持ち、患者さんに提示できるようにしておかなければなりません。現状に絶望してしまう患者さんには、いかに希望や光を見せられるかが重要なのです。

残された時間が少ない患者さんの中には、「将来的に実現するであろう医学の進歩を自分は受けられないけれど、自分が亡くなったあとに病理解剖して、同じ病気で苦しんでいる人たちを救うための新たな治療法のヒントを見つけてほしい」と、自身の体を未来の医学のために提供される方がいらっしゃいます。

 そうした患者さんは、医師との間に十分な信頼関係が築かれているうえ、自分の人生の総括として自分自身を医学の発展のために捧げようという思いになるのでしょう。人間愛の究極の形といえるでしょう。

 もちろん、すべての患者さんにそうした思いを抱いてもらう必要はありません。ただし医療者は、どんなに軽症だろうが重症だろうが、患者さんが少しでも未来を意識できるような「希望」を提供することが大切です。患者さんが訴える苦痛やつらさ、いわれもないクレームまでひっくるめて、すべて受け入れられるだけの器の大きさが求められます。それこそが患者さんを守る「医療安全」の文化といえるのです。

天野篤
順天堂大学医学部心臓血管外科教授

米国の20倍!コロナワクチン副反応はなぜ日本人に多いのか

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日本人には合わないのか。懸念された事態が起きている。

 新型コロナワクチン接種によって起こる重いアレルギー反応「アナフィラキシー」について、「日本はいま7万件接種で8件という話でありますから、アメリカ、イギリスと比べると多いように見えます」と、田村厚労相が9日の閣議後会見で発言した。担当大臣が「件数が多い」と認めるのは、よほどのことだ。

アメリカの20倍!

 実際、アメリカは20万件におよそ1件だから、日本は20倍である。イギリスも10万件あたり1~2例だから、日本は約10倍だ。

 息苦しさや、じんましんなど「アナフィラキシー」の発症例は、10日までに女性ばかり17件に達している。

 懸念されるのは、ファイザーのワクチンは、白人に比べてアジア人の治験データが少ないとされていることだ。やはり日本人は副反応が出やすいのか。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏がこう言う。

「一般的にワクチン接種によってアナフィラキシーが発症する割合は、100万件に1件とされています。新型コロナワクチンは多い印象です。ただ、日本人にだけ多いのかどうかは、まだ母数が少ないので確かなことは分かりません。アナフィラキシーが発症しても、適切に対応すれば、一過性の発作で終わり、後遺症も残りません。対応を間違うと命を落とすことがあります」

 まだ日本ではワクチン接種後に死亡するケースはないが、ノルウェーでは接種後に高齢者が相次いで死亡している。韓国でも11人が亡くなっている。ノルウェー医薬品庁は、接種後3週間以内に高齢者が亡くなった111例を検査し、「多くは高齢者施設の入居者で、すでに衰弱していたり持病があった」「ワクチン接種計画に影響するものではない」としているが、本当にワクチン接種と死亡は関係ないのか。

「ワクチン接種の数日後に亡くなった場合、自然死と判断されます。でも、本当に自然死なのか、ワクチン接種によって強い炎症反応が起こり、持病が悪化して死に至ったのか、因果関係がハッキリしないのが実情です。もし、ワクチン接種の数日後、体調が悪くなったら、すぐに主治医に相談すべきです」(上昌広氏)

「死について考えない」日本人を待つ壮絶な最期

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終末期、緩和ケア、尊厳のある死に方……「死」をどう迎えるかをテーマに、メディアやニュースで語られるのを耳にする機会は増えた。新型コロナウイルス感染拡大はとまらず、自らがどんな最期を迎えるのか、想像してしまうという人も多いかもしれない。死をどう捉えるかは人それぞれだが、おそらく誰でも死を前にした苦痛を思えば恐ろしくなるだろう。
兵庫県尼崎市で、30年以上にわたり在宅医療に関わってきた長尾和宏氏が、2016年に刊行した『痛くない死に方』が、高橋伴明監督・柄本佑主演で2021年2月、実写映画として公開される。映画に描かれているように、いざ「その時」がきたとき、私たちははたして「痛くない死に方」を選択することができるのだろうか。原作者の長尾氏に話を聞いた。
「死について語るのはタブー」とする傾向強い
──映画に登場する、奥田瑛二さん演じる在宅医は、長尾さんがモデルになっているとのこと。長尾さんはすでに10年以上前から、末期がんや認知症の患者さんが病院ではなく、在宅で穏やかに最期の日々を過ごすことの意味を訴えられていました。この10年でいわゆる終末期の過ごし方への人々の考え方は変わりましたか。
残念ながらほとんど変わりませんね。最近になって「終活」といった言葉がメディアで扱われますが、それでも「死について語るのはタブー」とする傾向は強い。
『痛くない死に方』 (c)「痛くない死に方」製作委員会
海外の多くの国では、死は避けられないものとして受け入れていく考えの下地がありますが、日本人にとって死は穢れ、忌み嫌うもの、という意識がまだ残っている。
何より医学においても、患者の死を扱う教育が確立されていません。そういう現状の中、一般の方が、自分たちの死にどう向き合えばいいかを考えろと言われても難しいですよね。さらに、医学が発達して高度な治療が可能になるほどに、自然かつ平穏な死を迎えにくくなってきているという気すらしています。
──医学発達のために平穏死ができないとは。
明らかに終末期に入っていると考えられる患者さんの場合でも、治療をしようと思えばどこまでも医療が介入できる状態にある。例えば「ドクターX」のようなドラマがはやるでしょう。「絶対失敗しない」スーパードクターが人気で、実際に“名医”と呼ばれる医師がメディアで取り上げられて、死にそうな人をある程度よみがえらせてくれることもある。
「医療にかかわればいつまでも生きられる」という治療信仰が強くなっているように感じます。でも、人は誰でも死ぬものです。医療の発達に伴い、「終末期」がどこにあるかが医療者にも見極められなくなってきて、曖昧になってきていることが問題なんです。
「枯れる」ように死ねれば「鎮静」は必ずしも必要ない
──映画の中で、宇崎竜童さん演じる末期の肺肝臓がん患者が登場します。病院で点滴など多くの治療を受けてベッドに縛られるのが嫌で、自ら在宅医療を希望します。病院医療と在宅医療の大きな違いはどこにありますか。
同じ病名であっても、その人の年齢や進行具合によって、また個人の状態によって当然異なりますから、どういった医療がその人にとっていいのか、明確な正解はありません。
長尾和宏(ながお・かずひろ)/
1958年生まれ。香川県出身。1984年に東京医科大学を卒業後、1986年から大阪大学医学部附属病院で診療と研究を行う。1995年に長尾クリニックを開院。1999年に医療法人社団裕和会長尾クリニックに移行し、理事長に就任する。現在、兵庫県尼崎市の長尾クリニックにて多くの看取りを行う。日本慢性期医療協会理事、日本ホスピス在宅ケア研究会理事、日本尊厳死協会副理事長関西支部長、全国在宅療養支援診療所連絡会理事など多くの団体、医学会、大学の理事を務める(撮影:ヒダキトモコ)
しかし、例えば今回の映画で取り上げたような末期がんの人の場合、死に向かうまでにいくつか段階があります。どこで医療の手を緩めていくのか、抗がん剤治療のやめ時はいつかなど、医療者側からもっと意識するべきだと思います。
病院では、最後期まで積極的に治療をしますが、それが本当に患者さんの利益となっているかどうか……。
例えば、本当に末期の方の場合、過度な点滴や栄養剤は不要どころか苦痛を増すだけです。終末期の脱水を許容すると、やせて枯れていきます。脱水を自然なこととみて上手に見守ることができれば、大きな苦痛を伴わずに穏やかな最後期を迎えることはできるんです。そういうことを、私たちの在宅医療チームは日常的に行っています。
──「上手に枯れる」とは? 最近では、モルヒネなどの医療用麻薬を使用しても激しい痛みを取り除けない場合、鎮静薬を使って眠らせた最期を迎える方法もあると聞きます。長尾さんのいう「自然に枯れる」最後期の迎え方と、それとは異なるのですか。
自然に枯れることができれば鎮静はほぼ必要ありません。脱水が自然の麻薬の役割をするのです。しかし、こんな単純な事実は医療界でほとんど知られていません。2020年、私のチームで、在宅で看取った方は140人ほどいらっしゃいましたが、鎮静を行って看取った人はゼロです。しかし、ある大病院では鎮静率が50%を超えるという。もちろん鎮静剤が必要な場面もあるでしょう。しかし、平穏な死を迎えるために脱水さえあれば、鎮静を行う必要はほぼないことがわかっています。
例えば映画でも出てきましたが、末期の肺がん患者さんの場合はとくに、1日500ml以上の点滴をしなければ、せきやたんで苦しむこともなく酸素も必要ありません。
病院では終末期の患者さんにも毎日約2リットルの高カロリー点滴を行うことが普通になされています。でもそうすると、胸水や腹水がたまって苦しくベッドの中で溺れたような状態になる。だから今度は胸水や腹水を抜いたり、酸素吸入、鎮静となる。するとせきやたんが出て眠れない。
その結果、鎮静剤投与のような、本来は必要がないような介入が起きてしまうことがあります。つまり過剰な医療こそが、鎮静をせざるをえない要因になっているのです。
私自身、勤務医だった35年前、同じことを終末期の患者さん全員にしていました。苦しむ患者さんを楽にしたいと思って。でも実際は逆でした。患者さんを苦しめていたのは、がんではなく私自身が指示した点滴でした。枯れていくことを見守り、待つことさえできたら鎮静は必要ないのです。
平穏に死ぬとは何か
──映画では柄本佑さん演じる若い在宅医が、患者を苦しませて死なせてしまうというシーンがありました。家で穏やかに最期を迎えたいという希望が本人や家族にあっても、それがかなわないこともあるということですか。
残念ながら、在宅で看取りを希望しても、必ず穏やかな最期を迎えられるかというとそうではありません。長く在宅医療をやっていらっしゃる先生ならきっと問題ないでしょうが、病院の医療をそのまま在宅に持ち込むことが在宅医療だと思っている医師も最近は増えています。そうすると病院と同じで、すごく苦しんで死にます。
柄本さん演じる若い医師のエピソードは、実話です。東京にお住まいだったある40代の女性から、「長尾先生の平穏死に関する本を読んで、在宅医療なら父親を穏やかに見送れると思って病院から連れて帰ってきたのに、とても苦しみながら死なせてしまった。私が父を殺した。在宅医療なんて選ぶんじゃなかった!」とクレームを受けたのです。
その女性と私が直接お会いして、一体、何がいけなかったのか実際のやりとりを記録したのが、この映画の原作となった『痛い在宅医』という本なのです。
どんな医師に最期を診てもらうかを、元気なうちから考えておければいいですね。在宅医療に関する本や雑誌もたくさん出ています。どんな選択肢があるのか、自分はどんなふうに最期を過ごしたいのか、元気なうちからある程度でも考えておきたいですね。
自分の「最期」のあり方を考える
──患者が「リビングウィル (終末期医療における事前指示書)」を書くというシーンも出てきます。延命治療を含め、どこまで医療を受けるか受けないかについて書面にするというものですが、実際、元気なうちに家族とそういったことを話し合うのは難しい気もします……。
もちろん難しいですよ。私も自分の母親に最後期はどうしたいかと聞いたらひどく怒られましたね。「親に縁起が悪いことを聞くものじゃない!」ってね。
でも、そういう人にこそ、今回の映画を見てほしい。本作はあくまで1つの物語で、みんな同じではありません。でもそれをきっかけにご自身の最期を考えてもらえたら。誰もがリビングウィルを書くべきと言っているわけではなく、あくまでひとつの提案です。
現実は患者さん自身もご家族も日々思いが揺れて、考えも刻々と変わります。また患者と家族と医者の思いはたいていの場合は三者三様なので、すれ違ったり葛藤の連続です。
医師は自分の意見を押し付けるのではなく、その揺れる思いに伴走する存在であるべき。どんな人生を送ってきたか、最期までどんなふうに生きたいかを時間をかけて話し合ってくれる医師を探すことが大切です。映画に描かれている世界は、私のチームの日常なんです。この物語と同じことを、毎日やっている。
──平穏に死ぬということは、最期までその人らしく生きられるかということでもありますね。
そのとおりです。だから平穏死といっても簡単にマニュアル化できるものじゃない。映画で宇崎竜童さんが詠んだ川柳が大きなヒントになるはずです。あの川柳は、実際は、高橋伴明監督がすべて作ったものだけど。あの一句一句をかみしめてほしいですね。
自分の死についても家族の死についても、考えるのが怖い、考えてもしょうがないという人がいるけれど、少しでも考えておけば、その人なりの準備ができるはず。もちろん、どんな病にかかるかも、今日どんな急病が起きるかもわからないですから、完璧な準備などありません。でもこの映画をしっかり見て自分なりに考えておければ、少なくとも「こんなはずじゃなかった」と悔やみながら死ぬことはないでしょう。

平均賃金は韓国以下「貧しい国」になった日本が生き残るための“新常識”

下記の記事はプレジデントオンラインからの借用(コピー)です

「日本は世界でもトップクラスの豊かな先進国である」というのは、多くの日本人にとって当たり前の話だった。
だがその常識は近年、音をたてて崩れ始めている。諸外国と比較して日本人の賃金は大幅に低くなっており、近い将来、中国や東南アジアに出稼ぎに行く人が増えるのはほぼ確実と言われている。
多くの読者の方は「そんなバカな」と思われるかもしれないが、日本が急速に貧しくなっているのは紛れもない事実である。私たちはこの厳しい現実を受け入れ、従来の価値観から脱却する必要がある。
平均賃金ではすでに韓国以下
OECD経済協力開発機構)が行った賃金に関する調査は衝撃的だ。2019年における日本人の平均賃金(年収)は3万8617ドルだったが、米国は6万5836ドル、ドイツは5万3638ドルと大きな差を付けられている。
それだけではない。かつては途上国というイメージの強かった韓国ですら、4万2285ドルとすでに日本を追い抜いている。日本人の賃金は米国の6割程度しかなく、韓国よりも低いというのが偽らざる現実である。
平均賃金ではついに韓国を下回った
こうした数字を出すと、為替の影響があるので単純には比較できないという意見が出てくるのだが、OECDの調査は購買力平価を用いたドル換算なので、為替や物価の影響をすべて考慮したものである。数字の差は、各国の本質的な豊かさの違いと考えてよい。
初任給「50万」の壁
もう少し分かりやすい例をあげてみよう。日本における大卒初任給は約20万円だが、米国では50万円を超えることも珍しくない。
筆者は以前、香港のホテルで一杯飲もうとビールを注文したところ1500円以上取られてビックリしたことがあったが、海外では価格が高めの店に行くとビール一杯1500円から2000円というのはごく普通である。
国内にいるとピンと来ないかもしれないが、海外にしょっちゅう行く人の間では、日本の豊かさは先進諸外国の3分の2から半分程度というのがリアルな感覚といってよいだろう。
仮に賃金が安くても、国内の物価が安ければ生活しやすいという見方もできるが現実はそうはいかない。
私たちが日常的に購入するモノのほとんどは輸入で成り立っており、海外の経済状況から影響を受けてしまう。海外の方が豊かであれば、輸入品の価格が上昇するので、日本人が買えるモノの量が減ってしまうのだ。自動車はまさにその典型である。
日本人にとってクルマはもはや高嶺の花
自動車はグローバル商品なので世界中どこで買っても価格は同じである。
トヨタ自動車の1台あたり平均販売価格は世界経済に歩調を合わせ約20年で1.5倍になった。だが日本人の賃金は横ばいなので、日本人にとってクルマはもはや高嶺の花だ。
多くの若者が愛用するiPhoneは機種によっては1台10万円くらいするが、初任給が20万円の日本人と50万円の米国人では負担感の違いは大きいだろう。
近年、食品などにおいて価格を据え置く代わりに内容量を減らすという隠れた値上げ(いわゆるステルス値上げ)が増えている。内外の賃金格差というのは、こうした形でジワジワと日本人の生活を苦しめていく。
日本人の賃金が上がっていないのは、バブル崩壊以降、日本経済が成長を止めてしまったからである。
同じ期間で、諸外国は経済規模を1・5倍から2倍に拡大させたので、相対的に日本は貧しくなった。日本だけが成長から取り残された原因は、ビジネスのIT化を軽視し、従来の産業モデルにしがみついたことだが、これについては本稿の主題ではないので割愛する。
原因はともかくバブル崩壊以後の「失われた30年」で、日本経済はかなり弱体化しており、私たちはこの現実を前提に今後のキャリアや資産形成について考えなければならない。
活路は「脱日本」
海外の方が豊かになっているのが現実ならば、今後はその富を何らかの形で自身に取り込んでいく工夫が必要となる。
これまで日本人の資産運用はほとんどが日本国内を対象としていたが、その考え方はあらためた方がよい。30年前であれば、日本における大企業は世界における大企業だったが、今となっては国内で大企業であっても、グローバルでは弱小企業に過ぎないというケースは多い。
株式投資の王道は優良な大手企業に長期投資することだが、その基準に合致する日本企業は大幅に減っている。投資の初心者であればなおさらのこと海外企業に目を向けるべきだ。幸い今はネットが普及しているので、オンライン証券を使えば海外企業にも国内と同じ感覚で投資できる。
仕事という点では、海外で稼ぐことも視野に入れる必要があるだろう。シニア層であれば、これまで得たノウハウや知見を海外で生かせる可能性は高い。かつて海外で仕事をするのは商社マンなどいわゆるエリート層ばかりだったが、状況は変わっている。
東南アジアではすでに多数の日本人コミュニティが出来上がっており、日本人向けのサービスを提供する企業も多い。こうした企業は基本的に日本人相手なので、それほど英語ができなくても問題はない。
若い人の中には、日本の大学を出て、日本人向けにサービスを提供するアジア企業にいきなり就職する人も出てきている。海外で稼ぎ、最終的には物価の安い日本で暮らすというライフスタイルは今後、当たり前のものとなるだろう。
現状を悲観するのではなく…
国内から出る予定がない人でも、日本のモノを海外に売って稼ぐという手段がある。
メルカリは海外の消費者向けに商品を購入代行するサービスを提供している。日本のグッズは海外では意外と高く売れるので、センスのある人はチャレンジしてみるとよい。
現状を悲観するのではなく、外に機会が増えたと前向きに捉えることが重要だ。