izumiwakuhito’s blog

あなたでしたらどう思いますか?

見えてきた、NMNのヒトへの抗老化効果

下記はビヨンドヘルスオンラインからの借用(コピー)です

抗老化のカギを握るNADが有意に上昇
 ただし、動物実験との差異もあった。マウスによる研究では、NMN投与によって細胞の中でエネルギー産生を司るミトコンドリアの機能が高まることが確認されているが、今回の臨床試験では変化がみられなかったという。糖代謝が改善したのは筋肉だけで、NMN摂取前と摂取後を比較しても、肝臓や脂肪組織のインスリン感受性や血糖値の改善、体重減少はなく、炎症マーカーにも変化がないなど、マウスでみられたような劇的な効果は認められなかった。
 「NMNによって、骨格筋でインスリン感受性の改善が認められたことは臨床的に意義のある結果。しかし、ヒトへのNMN投与が2型糖尿病の改善や予防に役立つのか、現時点で結論を出すのは難しい。なぜ、骨格筋でのみインスリン感受性が上がったのか、そのメカニズムの解明もこれから進めたい」と今井教授は話した。
 NMNは体内に入ると、私たちが生きていく上で欠かせない補酵素NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)に変換され、サーチュインという酵素を活性化することがマウスによる研究で分かっている。サーチュインは老化や寿命を制御する酵素で、その遺伝子は「長寿遺伝子」と呼ばれる。このため血液中のNADを増やしサーチュインを活性化させることが抗老化のカギと考えられているが、今回のワシントン大の臨床試験では、NMN摂取群で有意にその濃度が上昇。特に筋肉の中でNAD代謝物が増え、NADが大量に消費されたことも確認されている。
今井教授と共に今回の研究を行ったワシントン大学医学部のサミュエル・クライン教授(写真左)、吉野美保子准教授(写真中央)、吉野純准教授(今井教授発表資料より)
 「今回の臨床試験の結果だけでは、NMNに抗老化作用があるとは言い切れない。しかし、NMNの臨床試験がいろいろなところで行われ始めており、その中には、認知機能に対する効果を見る研究なども含まれている。そういうものが積み重なって行けば、NMNがヒトに対しても抗老化作用を発揮すると言えるときが来るのではないかと期待している。私たちの研究グループでも、昨年10月からNMNを用いた第2次の臨床試験を進めている。こうした研究を積み重ねることが、NMNのヒトにおける抗老化作用を見ていく上で重要になる」と今井教授は強調した。
 ワシントン大の研究グループによる第2次の臨床試験では、糖尿病予備軍で肥満の男女56人を対象に、1日300㎎のNMNか偽薬を16週間経口投与する計画で被験者を募集中だ。この臨床試験には米国防省の予算がついており、国を挙げて抗老化研究に取り組む米国のNMNに対する期待の高さをうかがわせる。

追記:
下記は日本NMN研究会https://nmn.online-medicine.or.jp/15/オンラインからの借用(コピー)です

NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)とは、ビタミンB3に含まれる分子で、酸化還元反応を触媒する酵素補酵素NADの前駆体です。人間の体内でも生成されており、加齢と共に生成量が減少していきます。
近年の研究でNMNがガン・認知症・老化症状などに作用する「若返り効果」があることが続々と判明しており、堀江貴文氏(ホリエモン)やNHKなど国内でも多くの著名人・メディアがその効果について言及しています。
NMNの効果・メリット
NMNの効果は現在判明しているだけで4つあります。
    * 老化による病気の治癒・予防
    * 記憶力の向上
    * 心機能の強化
    * 肥満の改善
老化による病気の治癒・予防ができる
NMNの最大の効果は老化による病気の治癒と予防ができることです。
NMNは、DNAの修復を行うサーチュイン(長寿遺伝子)のエネルギーとなるNADを増幅させます。つまりNMNを増幅させることでサーチュインが活性化し老化の主症状である慢性炎症を鎮静化し細胞死を防ぐことができます。
ある研究では、生後24ヶ月(人間でいう70歳前後)の老齢なネズミに2週間NMNを服用させたところ、抗動脈硬化性作用の向上やDNA修復機能の活性化が確認されました。
さらにハーバード大の研究によると、サーチュインを活性化させたネズミが平均して58%も寿命がのび、最大寿命も21%延長されたことが示されています。
NHKのドキュメンタリー番組「NEXT WORLD:~私たちの未来~」によると、人類の平均寿命が100歳を超え最大寿命も140歳まで到達するのではないかと予想する科学者もいるほどに大きな可能性を秘めています。
記憶力が向上する
アメリカで行われた研究で迷路を用いてネズミの記憶力をテストしたところ、NMNを投与したネズミは投与していないネズミより遥かに高い学習効果と記憶力を持つことが明らかになりました。
また形状記憶をテストした研究でも同じく記憶力が向上する結果が出ています。
さらにNADには酸化ストレスやミトコンドリアの機能障害を防止するPGC-1-αの生成を促す効果があることが研究で明らかになっています。
別の研究で、アルツハイマー症を発症しているネズミのNADとPGC-1-αの増加を促したところ、記憶力が飛躍的に向上する結果が出ています。このことからNMNは記憶力を向上させるだけでなくアルツハイマー病やパーキンソン病などの病気の治療にも有効なのではないかと示唆されています。
まだ試行回数も少なく人体実験もなされていませんが、少なくともNMNが脳神経に良い効果をもたらすことは確かなようです。
心機能を強化する
サーチュインの活性化に関わらず、NMNは虚血(動脈血量の減少による局所の貧血)を防ぎ血管が収縮・編成するのを防ぐ効果があることがあることがわかっています。
ある研究では、NMNが心臓の解糖系に作用し心筋梗塞が生じる面積が平均して47%に減少する結果となりました。
また別の研究ではNADが大動脈の硬化を抑制したり収縮期血圧の低下したりする効果をもつことが明らかになっています。
さらに医学雑誌「Cell」の研究によると、NMNを投与したネズミのランニングマシンの走破時間が60%減少し、運動持続可能時間が倍以上に増加したことが明らかになりました。
これらのようにNMNは心機能を高める効果があるので心筋梗塞や異常な心臓肥大を抑制するだけでなく運動能力の向上にも利用できるのではないかと画策されています。
肥満が改善する
NMNは肥満の改善にも効果があると言われています。
スイスでの研究では、高カロリー食を摂取したネズミに対しNADを増加させたところ、体重増加を最大で60%抑制することに成功しています。
ハーバード大のSinclair教授は「NMNを摂取することで特に努力もせずに1日16キロ程度を走ったのと同程度の効果を血液に与えることができる。運動の代替手段になるのはもちろんだが、年齢に影響を受けずにこの効果を享受できることが素晴らしい点だ。」とTimes紙に話しています。
肥満改善に役立つNMNは糖尿病やメタボリックシンドロームの治療にも効果的ではないかと注目されています。
実際に2011年にワシントン大学の今井眞一郎博士らが行った研究では、糖尿病のネズミに対しNMNを投与したところ膵臓や肝臓の機能改善がみられ糖尿病が劇的に改善した結果が出ています。
NMNの「若返り効果」が起こる仕組み
ここまでNMNの効果について説明してきました。ここからはその効果が起きる科学的な仕組みを紹介します。
NMNがNADを作る
NADは水の次に体内に多い分子で、全ての細胞の生命維持に必要な補酵素です。
NADの生成方法は原材料であるアミノ酸トリプトファンから作る新規合成経路(デ・ノボ経路)とは別に、NMNとATP使った再利用経路(サルベージ経路)する方法があります。
「健康長寿」より引用

NMNは生体内でNAD代謝産物として生じ、それを再利用してNADを作ることが出来ます。トリプトファンは他の物質を作る際にも多く利用されているので、NMNを使った再利用経路の方が効率よくNADを生成できると言えます。
今井氏の研究によると、NMNの服用後体内のNAD濃度が2~3時間で約25%の上昇をしたことが明らかになっています。
また、NADを経口摂取すると、消化器官で90%以上が破壊されてしまうのに対し、NMNは経口による摂取が可能であり、NADを増やす画期的な手段であると言えます。
NADとは?NMNとNADの関係、効果、老化を防ぐ仕組みを医師が解説
NADって何だろう?」 そのようにお考えではありませんか? NMNが若返りに効果があることが分かったけど、NADのことがよ...
NADミトコンドリアを活性化させエネルギーを生む
NADは電子移動を補助することにより、ミトコンドリア内の反応を助けより多くのエネルギーをうむ出す働きをします。
NADは元々細胞内の酸化還元反応を行う補酵素として発見されましたが、細胞間の情報伝達を行うシグナリング分子として分子間で電子の伝達を行う際には酵素と結合しリガンドとして機能することが明らかになっています。
具体的には、解糖やクエン酸回路や電子伝達系など、細胞がエネルギーを得るためにミトコンドリア内で起きる代謝反応に影響を与える補酵素になります。
細胞エネルギーの基底原子である電子を分子間で移動していくことで、NADはバッテリーの充電と同じような細胞機構として機能します。電子は自力で移動をすることはできず、NADがいて初めてエネルギーを作ることができます。
Nature紙の研究では線虫とネズミを用いて実際にNADミトコンドリアを活性化することが確認されています。
このようにNADの影響でミトコンドリアが活性化した結果、肝臓や腎臓などの健康保護作用がおきます。
NADがDNAの修復を促す
ほぼ全ての細胞内にはDNAを修復する分子工場が存在しDNAの修復を行っています。分子工場ではNADと細胞エネルギーが燃料として消費されています。例えばDNAを修復するプロテインであるPARP(ポリADP)はNADが枯渇するとDNA修復の機能が著しく低下することがわかっています。
DNAは放射線などの影響により日々ダメージを受け劣化していますが、DNAの修復が行われなくなることが老化の原因だと考えられています。

また「SIR1〜7(通称:サーチュイン)遺伝子」は長寿遺伝子とも呼ばれDNA修復と寿命に大きく関与している遺伝子もあります。
サーチュイン遺伝子は活性化することでサーチュインと呼ばれるヒストン脱アセチル化酵素を合成し、ヒストンとDNAが結合することで遺伝子の修復を行っています。
このサーチュイン遺伝子の活性化にもNADが大きく起用していることがNature紙により明らかになっています。
ハーバード大学のSinclair教授はNature紙の取材に対し、加齢とともにNADの分泌量が減少しサーチュイン遺伝子(やPARP)の活動が弱まることこそだ若い時になり得なかった病気になる原因だと話し、NADを増やしDNA修復することで老化を抑制したり若返りを実現することが可能かもしれない、と考えています。
NMNの副作用
NMNはすでに齧歯類(ネズミなど)や人体での実験が行われており、生物に対し副作用はないと考えられています。